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「なんで、囲い込まなきゃいけないの?」
貝印社員に聞く「カイタッチ・プロジェクト」の裏側


周囲の反応は…

河野
ところで社内の他の方からは反対がなかったんですか? それこそ非効率だろって指摘はきっと出ると思うんですけど、それは出なかったんですか?
郷司
えっと、それは最初から言いました。めちゃめちゃ効率が悪いプロジェクトなんですけど、やってみる価値があると思います、ということで。
河野
なるほど。
郷司
ウソついてもしょうがない(笑)
河野
そうですね(笑)
郷司
で、実際、ウェブチームって、彼女とあともうひとり男の子の、この3人しかいないんですよ。しかも我々、一応、経営企画室ということもあって、ウェブだけやってりゃいいっていうんじゃないんで、めちゃめちゃリソースが少ないねと。こんな効率悪いのは大変だけど、「頑張ってね!」みたいな(笑)
河野&遠藤
(笑)
河野
そこは「頑張りましょうね!」ですよ(笑)
郷司
「オレも頑張るからさ!」みたいな(笑)
河野
これまでにぼくがお手伝いしている会社でも、ちょうど似たような話が出たことが何度かあって、そういう時に、当人たちはすごく納得してるんだけど、上とか横とか、組織上の一歩出たところで、けっこうナーバスな声が出てきて、そこでなんか足踏みしちゃうみたいなことがあるんですね。

ぼくとしては、ほんとにこういう試みが、まさに貝印さんだけじゃなくて、いろんな会社の人がやっていけばいいなって思っていて、そういう周囲の反対を突破する、まあ、ノウハウって言うと微妙なんですけど、少しみんなが参考になるようなお話が聞ければなと思っているんですよ。
郷司
なるほど。そういう意味では、僕らは環境的に恵まれていたと思っています。それは僕らがウェブプロジェクト始める前のウェブというのが、そもそも社員含めて、誰も注目してなかったんですね。そういう中で、なんかあいつらウェブやるらしいねみたいな。
僕、「ウェブ王子」って一時、言われていて(笑)
河野&遠藤
あははは(笑)
郷司
で、なんかやるらしいと。さっき言った、「Club KAI」がおかげさまで会員の方も一万人くらい集めることが出来て、周囲に対するフィードバックもお客さまから直接、お声を頂いて。

それを開発にフィードバックするということを、ちょっとずつやっていった中で、「なんかちゃんとやってるっぽいな、あそこ」という評価がそれなりあったという点と、もうひとつラッキーだったのが、組織的にですね、社長からの直接的な意思決定を仰ぎやすい部署に僕たちがいるんですね。
河野
ああ、経営企画室ですしね。
郷司
はい。僕たちの上司が、色々な面で社長とのコミュニケーションを多くとっているんですね。
あとは、何より社長が、カイタッチ・プロジェクトにすごく可能性を感じてくださったようで。
河野
以前、ユニクロの担当者と話をした時も、UNIQLOCK(ユニクロック)っていうブログパーツを作った時に社内の反発はなかったんですかって聞いたんですけど、あれはもう、社長の柳井さんに直接言って、柳井さんがゴーサインを出したから、まわりが何も言えなくなったっておっしゃってましたね(笑)
郷司&遠藤
あははは(笑)
河野
わりとそこは、彼は戦略的に動いたって言ってましたけど、まあ、このへんはひとつの方法ですよね、早めにトップにOKをもらっちゃうという。
郷司
そうですね。そりゃ、社長とのコミュニケーションが多いというのは、いろいろな面でアドバンテージになると思います。
とはいえ、影での気遣いというのは、一応、あるんですけどね。
河野
そうでしょうね(笑)
郷司
一応、今までの会社のサイトに対する意識のギャップと、何より社長とのコミュニケーションというのが一番大きかったなと思いますね。
河野
ありがとうございます。参考になります。

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「作業」じゃない―あくまで地道に、誠実に

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この記事の著者

河野 武(コウノ タケシ)

1974年7月3日生まれ。立命館大学経済学部卒。コミュニケーション・デザイナー。マーケター。企画屋。
1997年、ニフティ入社。2001年にニフティ退職後、フリーターとして数年過ごし、2004年から2005年までオンライン書店ビーケーワンの専務取締役兼COOを務める。ECサイト初となるトラックバックを導入し、また「入荷お知ら...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2009/05/07 10:57 https://markezine.jp/article/detail/6883

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