顧客をリピート化する工程の中で1番大事なフェーズ
この連載のテーマである「見込み客の獲得~リピート顧客化」という長い道のりの中で最も重要なのが「初回購入客に2回目の購入をさせる」ことなのは間違いないだろう。
下記は、単品リピート通販における[リピート回数]ごとの[注文者数]をグラフにしたものである。
上記をみて分かるように、初回購入~2回目購入は、お試し~初回に次いで顧客数の落ち込みが激しく、逆に2回目購入以降の顧客数はなだらかに顧客数が減っていっている。つまり、2回目の落ち込み具合をどれだけ抑えられるかによって、その後のリピート顧客の数(=年間売上げ)が大きく変わると言える。
顧客と商品との接点をいかに増やすか
前回のコラムの中で、「顧客が申込みたいと思った時に、すぐに申込める」よう「商品を手に入れるための手段」を「最適なタイミング」で提供することが重要であることを記述したが、このタイムリーなホットラインとは別に、商品(およびブランド)との接点となる「静的なフック」を多く増やす必要がある。
接点を多くする理由としては、大きく下記の2つがある。
- 商品を思い出すタイミングをこちらから作ってあげるため
- 競合他社の商品へ顧客の心がシフトしてしまうことを避けるため
以降、それぞれについて解説を加える。
商品を思い出すタイミングをこちらから作ってあげるため
何度も述べているが、顧客は、購入する瞬間・商品が届いた瞬間には「毎日この商品を使って、自分の生活をよりよくしよう」と誓うのだが、悲しいかな、新たなアクション(買った商品をちゃんと使い続けること)を自らの生活の中に習慣づけるには、反復がかなり必要であり、ふとしたことで忘れがちである。当然忘れられると、商品の次回購入のタイミングは遠ざかり、ひいては存在自体を忘れてしまうことになる。
こうしたことを避けるためにも、「商品を事あるごとに思い出させるための静的なフック」が必要となってくる。
競合他社の商品へ顧客の心がシフトしてしまうことを避けるため
上記のように「使用すること」を忘れないまでも、「このブランド(企業)の商品だから買おう」と思った理由や感情は、更に忘れてしまいやすい。
これが忘れられてしまうと、CMで流れている、百貨店にならんでいる、チラシで見た、友人から噂を聞いたなどの要因により、他のブランドへ商品がシフトされてしまう可能性が大きく増してしまう。そして他のブランドへ顧客がシフトしてしまうと、(このコラムで紹介しているように)ちゃんと購入後に商品の使用を想起させるための取組みを実施していないことが多いため、やはり「使用することや、それにより得られる自分のよりよい将来」を忘れてしまう。(次ページへ続く)