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本気で活用したい人へ!ゼロからわかるアクセス解析導入・運用完全ガイド

アクセス解析ベンダーに質問するべき、15の項目


ベンダーに質問するべき15個の項目(2)

6.障害やサービス停止の告知と対応方針

 本当はインフラなので100%ちゃんと稼働し、いつでも画面からレポートが出せればよいのですが、残念ながらそのようなことはありません。どのベンダーでも緊急メンテや障害などが起きます。その時の対応フロー、事前告知時間などを教えてもらいましょう。動いて当たり前と利用者は思います。動かないときのユーザーからの不満は大きく、それをどのように対応するかはベンダーの評価ポイントになることでしょう。

7.モバイルに関する取り組み

 モバイルに関して各社の取り組みはさまざまです。PCとモバイルでできることの違いや、モバイルならではの特徴を確認してみましょう。同じツールであってもPCとモバイルで取得できる内容は大きく違います。特にモバイルのアクセス解析を重視している場合は、モバイルに特化した質問をどんどん聞いてみましょう。

8.問い合わせはとのような体制で対応しているか。専任サポート等は有料で可能か

 「通常の導入に含まれるサポート範囲はどこまでか」「自由に電話してよいのか」「電話を受けつけてくれる時間帯は?」「回答にどれくらい時間がかかるか」「質問が月●●件以上でも無料で対応してもらえるか」「専任のサポートを用意することは可能か」「常駐はデータが取得できていないという場合はどこまでサポートしてくれるのか」「タグの記述まで見てくれるのか」などを聞いてみましょう。

 この辺は、実際に無料アクセス解析ツールを導入した時に出てきた「よくあった質問」や「答えるのに苦労した質問」に対してどこまで対応できるかを確認してください。多くの場合、無料と有料で範囲が違うので、その内容を理解しておき、どちらの方向で行くかを検討しましょう。

 非常に重要な項目なのですが、回答をいただけない場合もあります。導入後の満足度で一番きいてくるのがこの点です。特に使う人が多ければ多いほど、影響が大きいため、出来る限りの情報を得ておきましょう。

9.アクセス解析全般に関する質問への対応も行ってくれるのか。それは別途有料か

 「どの数字を見た方がよいか」「改善の種はどうやって見つけるのか」「新規サイトに導入する場合の設計のポイントは」「このような質問には誰がどのように答えてくれるのか」「それは有償なのか」などを聞いてみましょう。

 有料ベンダーの多くはコンサルティングサービスを持っています。更に突っ込んで、コストやどれくらいの頻度でコンサルティングを行っているかを聞いてみてもいいでしょう。

10.ツールに感じている課題、あるいは今後の取り組みに重視していることは?

 ベンダーの考えを聞きましょう。特に「どういう答えだからいい」というのはありませんが、少なくともその内容に対して、納得感があるか、ベンダーが自分たちをどういう風に位置づけているのかを感じることは重要かと思います。機能面だけに特化しない回答を引き出すことができるとよいと思います。

11.SLAはどうなっているか。また弊社と独自のSLAを結ぶことは可能か

 SLA(サービスレベルアグリーメント)を握ることは、会社の規模が大きくなればなる程重要です。データが取れないから「お金を返してくれ」というのが目的ではありません。そうならないように、ちゃんと目標を作りベンダーに守ってもらうこと、また何か実際にあった場合は責任の所在を明確にし、その事実を残すことが重要です。

 契約さえ取れてしまえば、後は放置というベンダーは世の中には残念ながらあります。契約後も継続的に努力をしてもらうことをどこまで握れるかは導入前に行っておくべき大きなポイントになります。

12.御社ツールを導入した他社の担当者を紹介してもらえるか

 ベンダーは自分のツールの気になることは伝えてくれても、本当に言いたくないことは言ってくれません。そのため、よく「こういう会社にうちのツールは入っているよ!」というリストが資料に導入事例としてのっているかと思いますが、そこの担当者を紹介してもらって現場ではどういう課題があるかというのをヒアリングできるというのは選定において重要な内容です。もし可能であれば紹介をしてもらいましょう。

13.御社と最近解約した(あるいば別のツールに移った)会社が解約した理由は?

 ベンダーにとっては答えづらい質問かもしれません(代理店の方が答えてくれるかも)。しかし、聞く価値は十分にあります。新しく契約する会社がいれば辞める会社がいるのは当然のことです。その理由をちゃんと把握しているか、また素直に話してくれるかは、今後のそのベンダーとよい関係を築くためにも教えて欲しい物です。逆に言うと、ベンダーはこういった事実はちゃんと把握しておくべきだと思っています。

14.利用者の声をどのように拾っているか。またそれを実際に製品やサービスに反映させた実績を複数知りたい

 自社開発ではなく、ASPのサービスを使う場合の課題は、バージョンアップのタイミングや内容がベンダーに依存することです。特に大企業での導入の場合は、自分たちの声がどう製品に反映されるか、あるいはさせられるかを知っておくことは重要です。またカスタマーの声を拾う方法や頻度などは、ベンダーがどれくらいカスタマーに向かっているかが分かる重要な項目です。

15.アクセス解析導入と運用にかかる年間コストは? ツールの料金以外にどのような支出が一般的にあるのか

 アクセス解析にかかるコストはさまざまです。ツールの価格はあくまでもその一部です。どういうコストを覚悟しておく必要があるのかを聞いておきましょう。

 以上15個になります。上記はあくまでも参考例であって聞くことは必須ではないし、それ以上に今までまとめてきた課題の解決ができるかサービスやツールがあるかを確認する方が重要です。

 これら質問を聞きながら、1つあるいは2つのツールに絞り込んでいきましょう。

 質問する際のポイントは以下のとおりです。

質問の際のポイント
  • なるべく先入観を持たずに同じ質問をすべてのベンダーに対して行う
  • 今回あげた15個の質問+要件の優先順位を明確にし、優先順位に基づいて評価を行う
  • フィーリングも判断の要素に入れる
  • 経営安定性等も加味し、明らかにリスクが高そうなところは選定しない

 RFP(Request for Proposal)を出すという方法もあります。各社に要望を伝えて回答あるいは提案をもらう際にも、上記の質問事項や課題リストは使えるかと思いますので、活用ください。しかし、RFPをお願いする程、ツールの選択肢が既に無かったりする可能性も多々ありますので、必ず出す必要があるとは限りません。

 今回はここまでとなります。次回は「アクセス解析サービスを使うのにかかるコスト」についてです。どのようなコストが発生して、それはいくらくらいなのか? 決裁承認をもらうには非常に重要なポイントになります。公開は、7/21(火) 11:00となります。お楽しみに!

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この記事の著者

小川 卓(オガワ タク)

ウェブアナリストとして、マイクロソフト、ウェブマネー、リクルート、サイバーエージェント、アマゾンジャパンで勤務。2015年にフリーランスとなり、UNCOVER TRUTHのCAO(Chief Analytics Officer)に就任。フリーランスでは、コンサルティング、勉強会、執筆などで活躍している。主な著書は『...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2009/07/14 13:03 https://markezine.jp/article/detail/7434

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