連載の第1回目では「自分の言葉で情報を発信すること」、第2回目では「自分自身でWebを体感すること」をテーマに、オンラインマーケティングについて考えてきました。3回目となる今回は「サステナビリティ(持続可能性)のマネジメント」をテーマに、これまでのマーケティングの考え方とWebを中心にしたマーケティングの考え方の大きな違いについて考えてみようと思います。
サステナビリティとは?
マーケティングとサステナビリティの関連を考えるまえに、まずサステナビリティそのものについて考えてみることにします。サステナビリティ(持続可能性)とは、有限な世界において無限の成長は不可能で、従来型の経済成長には物理的、生態学的な限界があるという考え方です。
したがって、サステナビリティを考える場合には、現世代の成長だけではなく、将来世代に対する責任も考慮したうえで行動することが必要となります。数年前からLOHAS(*)という言葉が注目されていますが、これもLifestyles of Health and Sustainabilityの頭文字をとった略語で、その思想にサステナビリティを課題として含んでいるものです。
伊勢神宮の式年遷宮
さて、私がサステナビリティという言葉ではじめに連想するのは伊勢神宮の式年遷宮という行事です。皇祖神、天照大御神の祭られた皇大神宮(内宮)と豊受大神宮(外宮)を中心に、14の別宮、摂社、末社、所管社など、全125の宮社からなる伊勢神宮は、正式名称を単に「神宮」といい、約2000年の歴史を持つ日本を代表する神社です。

伊勢神宮を特徴づける行事の1つに式年遷宮があります。式年遷宮では、20年ごとに神様に新しいお宮を造ってお遷りを願うため、社殿を新しく造り替えます。そのため、神宮では内宮・外宮ともそれぞれ東と西に同じ広さの敷地が用意されており、式年遷宮の度に別の敷地に社殿を移しているのです。
そればかりか、式年遷宮では、内宮や外宮、その他の別宮などの建物だけでなく、五十鈴川にかかる宇治橋も新しくつくり変えられ、御装束神宝と呼ばれる正殿の内外を奉飾する御料525種、1,085点も同時に新しいものに調製されると言います。つまり20年ごとに神宮全体がまったく新しいものに生まれ変わるわけです。
西洋ではギリシアの古代神殿などが石造という耐久性に優れた建築手法を用いることで長い歴史を生き延びてきたわけですが、伊勢神宮はそれとはまったく異なる方法論で同じくらい長い歴史をいまに伝えています。伊勢神宮のほかにも、大阪の住吉大社がおなじように周期的な遷宮を行っているそうです。
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棚橋 弘季(タナハシ ヒロキ)
芝浦工業大学工学部(建築学専攻)卒。マーケティング・リサーチ、Web開発等の仕事を経て2003年より株式会社ミツエーリンクスに。現在はWebを使ったマーケティングに関する企画や自社サービスの開発に従事。
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
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