サントリーとニッカウヰスキーが、“体験型BAR”に力を入れている。サントリーは気持ちで注文できるイベント「BAR グラスとコトバ」を第3弾として会期を大幅に拡大し、ニッカウヰスキーは期間限定で好評だったフラッグシップバーを常設店として南青山にオープンした。いずれも「酒を売る」ことそのものより、BARやウイスキーに馴染みの薄い層へ“文化との出合い”を設計し、体験を実店舗やカテゴリーへの送客につなげる狙いが共通する。本記事では、2社の施策をマーケティングの視点から読み解く。
サントリー「BAR グラスとコトバ」は会期を約3倍に拡大
サントリーは7月7日から8月3日までの約1ヵ月間、渋谷「SHIBUYA CAST. SPACE」で体験型イベント「BAR グラスとコトバ」の第3弾を開催している。壁一面に並ぶ空のグラスと、さまざまな気持ちやコトバが書かれたコースターの中から“今の気持ちにピッタリなコトバ”を選び、バーテンダーに手渡すと、その気分に寄り添った一杯が提供される仕組みだ。
この施策の核は、「何を飲むか」ではなく「今どんな気持ちか」を入り口に置くことで、BARやカクテルへの心理的ハードルを下げる点にある。何を頼めばよいかわからない、BARは敷居が高いと感じる層でも、感情やコトバを手がかりに自然と一杯にたどり着ける。宣伝部の担当者は、カクテルに親しみのない層や若年層にBAR文化を身近に感じてもらうことを狙いに挙げた。
第3弾では「より多くの方に参加してほしい」との考えから、従来約10日間だった会期を約1ヵ月へと拡大。前半(7月7日〜21日)はソニーミュージックとコラボし、120組のアーティストの歌詞のコトバを採用した。コースター裏面には該当楽曲のSpotifyリンクへ飛ぶ二次元コードを掲載し、リアルな体験からデジタルの音楽接点へと導線を伸ばしている。後半(7月23日〜8月3日)は17名の人気クリエイターや作家の書き下ろしのコトバに切り替え、夏向けカクテルを約10種類追加する。
注目したいのは、サントリーがこのイベントを一過性の話題づくりで終わらせていない点だ。第2弾は約3,900名が来場、イベント終了後に実際にBARへ足を運んだ来場者は約300名にのぼったという。サントリー担当者は「体験がBARの扉を開ける背中を押すきっかけにつながった」と話す。
今年の来場目標は1万名。創業以来「洋酒文化の創造」を掲げ、酒そのものではなく“彩りのある生活”を提案してきた同社らしい設計といえる。
開催情報
日時:2026年7月7日(火)~8月3日(月)
会場:SHIBUYA CAST. SPACE
料金:1,000円(税込)※当日決済
公式HP:https://mobile.suntory.co.jp/cpn/uni/uni2/20240710/
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MarkeZine編集部(マーケジンヘンシュウブ)
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