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MarkeZine Day 2026 Autumn

世界動向の先を読む「もう1つの視点」

「隣の客と、値段が違う」――米国でパーソナライズド・プライシング規制が拡大

価格掲示には、企業やブランドの「らしさ」「姿勢」が表れる

 その「あやふやな価格」を実際に決めているのは誰か。スーパーや小売業が「お客様のために」と考えていても、その小売業との間の「中間ベンダー(AIエージェント)」が入り込む。小売事業主が店頭のESL表示を自主規制しても、間に入るAIベンダーが価格モデルを「ユーザー許諾済みボタン」の上でコントロールできてしまう。店の棚札は店の顔をしているが、その背後の声の主は店ではない――そんなAI依存(委託)が主導責任を曖昧にさせる事態がすでに起き始めている。

 「隣の客と私の値段が違う」という問いの本質は変わらない。問題は「その値段を、誰が、どう決めたのか」だ。店主か、ベンダーか、価格アルゴリズムか、中間AIエージェントなのか、そしてどんな情報を基準にしたのか。この問いに答えられることが、DXの効率化と「掲示物」としての価格への信頼を両立させる設計図の一枚目になる。

 「御社のクーポン出し分けは監視プライシングに該当しないか」と問われたとき、答えを先手で持っているか。

 価格改定のルールと基準の客観性・納得性を、先に自社ルールとして棚に掲げた企業が、規制が来たときに業界標準を握る。価格は個人ごとに最適化する変数である前に、社会との信頼をつなぐ掲示物(姿勢)だ。必要なのは対応手段ではなく、その前にある企業としての考え方、事業とブランドの「らしさ」である。

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この記事の著者

榮枝 洋文(サカエダ ヒロフミ)

株式会社ベストインクラスプロデューサーズ(BICP)/ニューヨークオフィス代表
英WPPグループ傘下にて日本の広告会社の中国・香港、そして米国法人CFO兼副社長の後、株式会社デジタルインテリジェンス取締役を経て現職。海外経営マネジメントをベースにしたコンサルテーションを行う。日本広告業協会(JAAA)会報誌コラムニスト。著書に『広告ビジネス次の10年』(翔泳社)。ニューヨーク最新動向を解説する『MAD MAN Report』を発刊。米国コロンビア大学経営大学院(MBA)修了。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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2026/09/28 08:30 https://markezine.jp/article/detail/77682

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