利用者層を考慮したコンテンツを用意する
モバイルサイト利用者の特性も考慮すべき要素となる。例えば若年層が多いという特性を考慮すると、単に情報だけを置いておくだけでなく、彼らが“暇つぶし”として楽しめる娯楽的要素のあるコンテンツを用意しておくことが、継続利用に結びつく重要なポイントとなる。若年層は可処分所得が少ないが、継続的な利用をさせることで、ブランドの定着と将来的な消費に結びつけるという活用方法もあるだろう。
本田技研工業が展開する「ケートラ」などはそのよい例といえる。これは、携帯電話の位置情報を利用して、参加者のアバターが、色々な人の携帯電話(車)を乗り移りながら全国を旅して回るというゲームである。ゲームの中にメーカーの姿は感じられないが、アバターが長距離移動して“おみやげ”を運んでくるというゲームの特性によって、“移動する楽しみ”を伝えるという目的を果たしているといえる。
今回の内容をまとめると、以下のようになる。
- モバイルサイトを用意しないことは、マイナスイメージを与えることにもなる
- モバイルサイトを有効活用するには、その特性を生かした活用方法を考えるべき
- 比較的向いているのは、既存顧客のファン意識を高めるための活用
- ユーザー層を意識し、それに合わせたコンテンツを提供するのも重要
どのような形をとるにせよ、モバイルサイトを有効活用するには継続した取り組みが求められる。それゆえモバイルを本気で活用したいのであれば、モバイルサイト専用の人員と予算を割り当て、本腰を入れて取り組むことが必須条件となる。モバイルを有効活用している企業であるほどそうした取り組みを実施しており、従来のように“PCの片手間”という意識が少しでもあるのなら、成功は難しいと思ったほうがいい。
