SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

おすすめのイベント

おすすめの講座

おすすめのウェビナー

マーケティングは“経営ごと” に。業界キーパーソンへの独自取材、注目テーマやトレンドを解説する特集など、オリジナルの最新マーケティング情報を毎月お届け。

『MarkeZine』(雑誌)

第106号(2024年10月号)
特集「令和時代のシニアマーケティング」

MarkeZineプレミアム for チーム/チーム プラス 加入の方は、誌面がウェブでも読めます

本気で活用したい人へ!ゼロからわかるアクセス解析導入・運用完全ガイド

アクセス解析データから“課題を発見する”テクニック
【リクルートのアクセス解析担当者が明かすノウハウ】

 アクセス解析データを漫然と眺めていても、課題解決にはつながりません。今回は、セグメンテーションというテクニックを中心、アクセス解析データからいかに課題を発見するのかについて紹介していきます。【バックナンバー】

アクセス解析データから課題を発見!

 さて、今回はアクセス解析のデータから「課題」を発見する方法について書いていきます。この作業は探偵の役割に似ています。探偵は事件が起きたときにまず調査するべき場所「アタリ」をつけます。そのために必要な仮説を行い、現場での調査や聞き込みを行います。そうすると仮説の正否が見えてくることによって情報の精度が上がっていきます。最後に、決定打となる証拠を見つけ、めでたく犯人は逮捕! となります。

 アクセス解析でも同じような事を行い、課題を発見していきます。今回はそのステップを見ていきますので、自社サイトのアクセス解析ツールでもぜひ試して貰えればと思います。

仮説:なぜ会員数が伸びないのか?

 アクセス解析のデータを上から下までただ順番に見ていても、多くの場合は気づきを得る事ができません。そこで、まずは仮説を立てる事が大切です。

 例えば、ここ1か月間の間、オフラインで新規会員獲得のためのキャンペーンを実施していたとしましょう。「新規に会員登録をする際にチラシに記載されているコードを入力すると、化粧品の無料サンプルが貰える」という内容です。しかし、実際にデータを見ても思ったほど会員数が増えていませんでした。なぜこのような事が起きているのか? を調査してみましょう。

 この場合、まず「アタリ」をつけるべきポイントがいくつかあります。今回の場合は、新規の人向けなので、「この流入経由でサイトに入ってくる人は、新規のユーザーが多いだろう」という仮説を使ってみます。

検証:新規/リピーターでデータ比較

 では、この仮説を確認するために、「リピーター」と「新規」の人で分けてデータを確認してみましょう。Google Analyticsであれば、「アドバンスドセグメント」という機能を使うことによって、データを分けることができます。

Google Analyticsを使って「リピーター」のセグメントを切り出す
Google Analyticsを使って「リピーター」のセグメントを切り出す

 このようにサイト全体のデータから一部のデータを切り出す、あるいは一部のデータに注目する事を「セグメンテーション」と呼び、検証をする際の大切な要素になります。

 仮説を元にセグメンテーションを行い「新規」そして「リピーター」のデータを比較してみました。すると、確かにキャンペーンの期間中は新規の流入数が通常の3倍程度に増えていました。入ってきたけどすぐに帰ってしまうのでは? ということで直帰率を見てみましたがこちらはリピーターと比較してもほとんど差はありません。またサイトの平均滞在時間も大きく変わりません。他にもサイト全体にかかわる指標を見ていたのですが、大きな違いはありません。

 さて、何が問題なのでしょうか? サイト全体で見ていても、新しい気づきは見えてこなかったのでサイト内の各ページの「PV数」を見てみました。サイト全体の新規/リピートの比率と同じような比率で各ページが閲覧されていましたが、「会員登録フォーム」のページだけは、新規の比率が非常に多いことが分かりました。そこで、このページ何か原因があるのでは? ということで更に調査をしてみると、リピーターと比べて2つの大きな違いがありました。

  • リピーターの離脱率は10%だったが、新規の離脱率は50%と大きく違った
  • リピーターの1セッションあたりのPV数が1.1なのに、新規では2.4だった

 明らかにこのページが怪しそうです。

 ということで会員登録フォームをすみずみまで確認してみたところ、「入力するコードは半角だと問題無いが、全角だとエラーが出て会員登録が終了できない」といった理由が見つかりました。そして、すぐにフォームを直したところ、会員登録数も増えていきました。

 今回、紹介したのは極端な例ですが「リニューアルして流入が1.5倍になったのに、売上は横ばい」とか「特定の流入元から入ってくるユーザーはとにかくコンバージョン率が高い」といったような、疑問に対する回答を見つけるために上記の方法は非常に有効です。

会員登録無料すると、続きをお読みいただけます

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

次のページ
セグメンテーションをするための6つの視点

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
本気で活用したい人へ!ゼロからわかるアクセス解析導入・運用完全ガイド連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

小川 卓(オガワ タク)

ウェブアナリストとして、マイクロソフト、ウェブマネー、リクルート、サイバーエージェント、アマゾンジャパンで勤務。2015年にフリーランスとなり、UNCOVER TRUTHのCAO(Chief Analytics Officer)に就任。フリーランスでは、コンサルティング、勉強会、執筆などで活躍している。主な著書は『...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2009/11/10 11:00 https://markezine.jp/article/detail/8726

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング