アクセス解析の運用業務リスト
複数のサイトにアクセス解析サービスを導入し全体管理を行っている場合は、アクセス解析サービスの運用という業務が発生いたします。数人で使っているケースでは特に気にする必要はないのですが、利用者30人を超えてくると、全体管理の必要が発生し前回紹介したような勉強会であったり、運用を行ったりする必要があります。
今回から、アクセス解析における「運用」を2回に分けて紹介していきます。最初に主に発生する運用業務をリストアップし、その後に各業務の概要と実施する際のポイントや注意点などを解説していきます。
- 問い合わせ対応
- リニューアルや新規サイトOPENのスケジュール把握
- PV読み
- ID発行および権限管理
- 連絡体制およびフローの策定
- 費用管理
- 契約交渉
- 障害対応
- 全体スケジュール対応
- バージョンアップ方針
では、1つずつ紹介をしていきます。
アクセス解析の運用業務:問い合わせ対応
運用業務の中で1番工数がかかるのが、問い合わせ対応です。
利用者が増えてくると、代理店やベンダーへの問い合わせだけではまかないきれなくなります。弊社でも多いときは月の100件以上の問い合わせがきます。これをすべて代理店やベンダーに任せていては、回答スピードも遅くなる一方です。
そこで複数サイトや大勢の利用者がいる場合は、全体管理をするチームを用意し(弊社の場合は、私が在籍するチームがそのチームになります)そこで問い合わせの対応を行っていくという体制が必要になります。こういった体制を用意するの理由はいくつかメリットがあるからです。
体制作りのメリット
- ベンダーや代理店以外にも問い合わせのルートがある
- 同じような質問に関しては素早く回答ができる
- 運用体制側の知識や理解が加速する
- ベンダーや代理店に聞きにくい事も、同じ会社の同僚であれば聞く事ができる
「利用者の問い合わせに対して、素早く確実に答える」という事が、アクセス解析サービスの利用促進や理解向上には必須です。今まで、問い合わせをしても回答が遅いから「問い合わせをしなくなってしまった」「間違った仮説でルールを決めて判断を行っていた」というケースを何度も見てきました。
問い合わせへの回答がないことにより不満が増え、使う気が無くなってしまう。これだけは避けたいところです。また、スムーズに回すためにいくつか手法がありますので、これを紹介いたします。
スムーズに問い合わせを回す方法
- よくある問い合わせに関してはFAQ化して、誰もが見られるところに置いておく
- 問い合わせはメールではなく、問い合わせフォームを使うことにより、問い合わせに答えるのに必要な情報を決まったフォーマットで必ず入力してもらう(これによって質問内容の再確認という工数を減らすことができます)
- 問い合わせ件数・ジャンル・回答日数を簡単にでも良いのでモニタリングする。それによって、「オプションの設定に関する問い合わせは3営業日内で返せる」「モバイルに関する問い合わせは1週間くらい見た方がよい」という、回答期限の目処を立てることができるようになる
- そして問い合わせを受けた際に、「この質問の回答は1週間くらいかかるな」と思ったら、翌日にその旨を伝える。コミュニケーションがない状態が、問い合わせをした人を1番不安にし、回答の目処を伝えてあげるだけでも、安心感が生まれるため
そして、1番大切なのは「質問の背景」を探ること、イメージする事です。