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検索のイマを追う! Search Engine Strategiesレポート

「Googleは寄生虫?」 過渡期を迎えたメディアビジネスの未来
【Search Engine Strategies Chicago 2009】


情報消費はパッケージからストリームへ

 さて、メディア企業を取り巻く変化の特徴として、個人ジャーナリストによるブログメディアの台頭も挙げられる。特化したコンテンツを供給するメディアがより支持されるメディアになっている傾向もあり、コンテンツの流通方法、消費のされ方についても紹介しよう。

 Jeff氏によれば、コンテンツの流通のされ方がパッケージ単位から「ストリーム」に変化しているという。ストリームとは、twitterやRSSリーダーに代表されるような、「自分の興味のある情報が次から次へと流れるようなインターフェイス」を指す。

 今までとは異なり、メディアが発信する情報はパッケージではなくコンテンツ単位で流通し、何が重要なのかも消費する側がコントロールするようになっている。

 これを表すのに非常に印象的な言葉として、ニューヨークタイムスの調査員に対して大学生が言ったとされる「もしも、そのニュースが重要ならば、ニュースのほうから私を見つけるでしょう」という言葉が紹介された。また、そうした変化と同時に情報の受け手が情報を流通させる役割も担うようになっている。ブログ、twitter、Facebookといったサービスを使い、人々がリンクすることが可能であるためだ。

 そうした変化の中では、コンテンツをオープンにし流通を促すことが重要であるとJeff氏は指摘する。YouTubeが行っているように動画だけをほかのサイトに引用できるようにするだけではなく、写真、ニュース、音声などありとあらゆるコンテンツを引用できるようにすることが有効であると紹介し、実例としてAPIを利用した取り組みを紹介した。

 「Guardianはイギリスの新聞だが、彼らはAPI経由ですべてのコンテンツへ自由にアクセスできるようにしているし、 ニューヨークタイムズもAPIを提供している。コンテンツ単位で情報が消費される現状の中、これらの方法は情報を人々が流通させるのに都合がよい上に、リンクを獲得する手段としても機能している」とした。

リンクコミュニティへの心構え

 最後に、Jeff氏自身によるまとめの中から重要と思われるものをいくつか抜粋する。

新しい公開性

  • 検索されないのであれば存在しないのと同じ
  • 全ての人がある程度のSEOの知識を必要とする
  • 人々は検索を利用して訪れている。トップページを必ず見ていると思うな

 これらは、検索の重要性についての考え方で初日を通じて多くのスピーカーが話している内容である。

  • 読者は同時にあなたを宣伝してくれる存在でもある。URL短縮サービス経由のトラフィックはGoogleニュース経由とおなじくらい多い

新しい構造

  • リンクがすべてを変える
  • セキュリティよりも無視されることを恐れよう

 これらは、リンクコミュニティという新しい考え方である。トラフィックとマネタイズを分離して考えることで戦略が明確になる。

  • Googleが多くのコンテンツをコモディティティ化する

 本稿で深く触れなかったが、Googleが多くのコンテンツを検索可能している中、ユニークなコンテンツを生み出すことに注力せよ、とメッセージを発していた。

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この記事の著者

小越 崇広(オゴシタカヒロ)

サイバーエージェント入社後自社メディアの営業・プランナーを兼務し、 新興メディア上でのコミュニケーション立案に携わる。2006年11月同社のネット トレンド研究室立ち上げに参画。翌1月から同社の100%出資子会社のCAテクノロ ジー に出向。同社のマーケティング局の立ち上げに奔走している。個人ブログ は今日のニッパウ。Tw...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

株式会社CAテクノロジー(カブシキカイシャ シーエーテクノロジー)

サイバーエージェントグループのSEO専業コンサルティング会社として、2007年4月設立。代表取締役社長 石井洋之。SEO戦略の立案、SEOに特化した効果測定ツールの提供から、サイト制作まで、WEBの収益向上にむけたサービスを提供。

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MarkeZine(マーケジン)
2010/01/07 13:23 https://markezine.jp/article/detail/9104

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