契約交渉
通常、有料のアクセス解析サービスは年単位で契約を行います。そのため、契約終了の数か月前に再度契約を交わす必要があります。このタイミングで契約内容を見直すことをオススメします。
1年使ってくる中で見えてきた、来年のPV読みや、利用したいオプション機能、値下げしたい先方の人月単価、などいろいろあるかと思います。それらを交渉材料として利用し、お互いにとって無駄がない、より良い契約を結ぶ必要があります。
「前年と同じで」という契約の結び方はしないように気をつけましょう。1年も使っていれば、必ず無駄な部分、更に投資したい部分というのが明確になるはずです。逆に言い換えれば、このような状況を把握することが運用担当者の仕事の1つでもあります。
障害対応
なるべく発生して欲しくないが、発生してしまうものが障害です。データの集計が遅延したり、ログインができなくなってしまったり、このような事態は残念ながら避けることができません。大切なのは発生した場合に、どのように対応を行うのか? というルールを決めておくことです。
オススメの手法としては、障害レベルをいくつか決めてその内容によって連絡先および連絡手法を決めることです。例えば、集計が30分ほど遅れている程度であれば利用者および上司への報告は必要ありませんが、レポートで表示されているデータが一部足りないあるいは間違った状態で復旧不可能な場合は、数多くの人への連絡およびベンダーや代理店に経緯書を求めることになるでしょう。
この辺は事前に決めておかないと、いざ起きたときにどうすれば良いかわからなくなり、対応に時間がかかってしまいます。少なくともメーリングリストの用意、連絡先の把握などは事前に行っておきましょう。
バージョンアップ方針
それ程、頻繁に発生する物ではありませんが、年に1~2回アクセス解析サービスは新機能の追加といったバージョンアップを行う事が多いです。このバージョンアップに対するルールを決めておく必要があります。
バージョンアップが起きると今までのマニュアル・勉強会・Q&Aの回答など、さまざまな物もが変わります。極端に言えば「今まで言っていたことは嘘でした。今はできるようになりました」ということが発生いたします。
ツールによっては1つ前のバージョンが並行して使える場合もあります。新しいバージョンがリリースされたときの、運用側のサポート体制や、新バージョンに対応したドキュメントの完了時期を事前に広報しておくことをオススメします。
例えばリリース後、3か月は以前のバージョンを使ってもらい、各種対応が終わった時点で、新しいバージョンの利用をお願いするという方法もあります。最新バージョンしか使えない場合は、資料や勉強会についての対応が遅れることを明言しておきましょう。
さて、2回に分けてアクセス解析の運用について紹介をしてきました。運用も結構大変である事がご理解いただけたかと思います。しかし、この運用業務をしっかり回すことで、利用者の満足度があがりますし、ベンダーあるいは代理店と良好な関係を築く事ができます。
さて、次回は「アクセス解析を社内にいかに浸透させるのか」という大切な内容について、私が考えている手法や思いなどを紹介いたします。次回もお楽しみに!