Webセントリックマーケティングの時代へ
マスマーケティング、CRM、エンゲージメントと、佐々木氏は「どれかに絞るというよりも、戦略的に組み合わせ、取捨選択すればよい」と語る。ただし、インターネットをプラットフォームとするというのが鉄則となる。これをネットイヤーでは「Webセントリックマーケティング」と命名し、デジタル社会において顧客と企業の関係を強化するための最適なマーケティングとして提唱している。
それは、すべてのマーケティング活動の中核に自社サイトを位置づけ、全体が連動しあい、相乗効果を生み出すという総合的な仕組みであり、なによりもデジタルであることで、効果測定が容易になり、費用対効果を意識した戦略的なマーケティングが可能になるという。
ここで中核となるWebとは、PCサイトやモバイルサイトだけではなく、スマートフォン、ゲームなどあらゆるインターネット接続可能端末を指し、そこに新聞、雑誌、テレビやイベントなどのメディアに加え、営業、コールセンター、店舗といったリアルでの活動も紐付けるべきだという。
こうした仕組みを構築するにあたり、ネットイヤーでは次の6つのチェックポイントを設けている。
- 統合型:統合されたプランになっているかどうか
- 投資対効果指向:効果測定をするシステムや体制があるか
- 顧客参加型:ソーシャルメディアと連携しているか
- マッシュアップ:外部サービスやシステムと効果的に連携しているか
- 関係性:顧客プロファイルを活用できているか
- 取引可能:販売や資料請求などに行動できる仕組みがあるか
これらはそれぞれ施策と結びついており、それらが連携することで統合的なマーケティングを実現することができる。
しかし、その障害となっているのが、組織の「部門間の壁」だという。例えば、ECショップで何が売れているのか、リアルで活動する営業マンが知らない、イベントや展示会場で行われていることがWebサイトと一致していないなどだ。そうした問題を解決するためにも、全体を統合するキーパーソンの存在が必要であり、組織そのものの在り方まで変えていかなければならないというわけだ。