モバイルサイト開設における障害
モバイルサイト構築・運営に際し、企業が抱える悩みは少なくない。例えば、「専任の担当者を置く余裕がない」「モバイルの予算が取れない」「モバイルサイト導入効果の不明瞭さ」「客とのコミュニケーション強化の方法が分からない」「そもそもシステム構築の方法が分からない」などなど。モバイルサイトの開設率がPCサイトの約22%に止まっている背景には、こうした問題も関係していそうだ。
また、コンテンツプロバイダにとっても悩ましい問題がある。「費用の削減」「大規模運用へのためらい」「急なアクセス増加への対応」「会員増加に合わせた柔軟なリソース拡大」といったものが代表的だ。

運用コストを削減をサポートする「モバ造」
これらの課題に応えるため同社が提供するサービスの1つが、11月19日に発表した「モバ造」だ。「モバ造」は、携帯電話を活用したキャンペーンや各種プロモーションに必要な機能があらかじめ実装された、モバイルサイト構築ASPサービス。定額制、従量制、個別見積もりと、それぞれユーザーのニーズに合わせた利用が可能で、使い方のトレーニングや初期構築代行などの運用オプションも用意している。
「モバ造」の特徴は、携帯サイトの計画策定、サイトの構築運用までトータルに支援するところにある。また、サービスプロバイダとして20年以上に渡って顧客の個人情報を扱ってきた実績から、強固なセキュリティと安定運用における信頼性もあり、ASPサービスのためサーバを用意する必要がなく運用コスト削減が期待できる。2010年1月にはHTMLコーディングの知識がなくても更新可能な管理ページ作成機能を追加し、メニュー画面から簡単に更新ができるようになるという。
尾内氏は、「モバ造」の導入事例として「湯けむり物語」というサイトを紹介。月額300円で会員数を約3000人で試算すると年間収入は1080万円。サイト初年度の費用は、サイトのデザイン費、コンテンツ取材費、サイト運用費、システムの月額費用、回収代行手数料の合計で786万円。つまり初年度から294万円の利益を生んだことになる。携帯サイトを開設することで、資料請求やアンケートを展開するための場が手に入っただけでなく、クーポンを配布してエンドユーザーに利益を還元することもできるようになった。
続けて紹介された動画デコレーションサイト「デコスタジオ」は、講演前日にサービスインしたばかり。撮影した動画にフレームやスタンプ、BGMなどを付けられる新感覚のサービスだ。「モバ造」のデコスタジオオプションで利用できる。このほか、大手製造業者で商品にQRコードを付記して商品ごとのアンケートを採るマーケティングサイトや、大手製薬会社のCM動画配信サイト、大手保険代理店の資料請求のサイトなどの事例も紹介された。
尾内氏は「クラウド技術がもたらすメリットをモバイルに適用し、新しい技術やサービスに積極的に対応していきたい」と述べ、講演を締めくくった。