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多様化するモバイルビジネスの「リアル・チャンス」をさぐる! mobidec2009レポート

端末性能、通信環境の変化によって訪れる、クラウド全盛時代のモバイルビジネスとは?

クラウド隆盛の障害となる問題

 ビジネスチャンスがある一方で、克服しなければならない課題もある。そのひとつが、多様化する端末への対応だ。スマートフォンやネットブックは、それぞれが別のOSを搭載していることが多く、これに加えてゲーム機やUMPCなど、ネットにアクセスできるデバイスは多種多様だ。このため、各デバイスのみを対象にしたアプリケーションでは、投資回収できるほどのユーザー規模を担保できない恐れがある。そうした問題を解消する可能性は「各デバイスに向けて共通化したクラウド上のコンテンツ提供プラットフォームにある」と八子氏は提言した。

 誰もが端末を意識せずに共通のコンテンツやサービスを利用できる-そんなプラットフォーム実現のためには、コンテンツ素材のフォーマットの整備や個人の認証機能、効果の測定基盤、少数のターゲット端末でも事業を成立させる仕組みが必要だ。八子氏は、電子商取引業者、コンテンツプロバイダ、ポータル事業者、コミュニティ事業者、携帯電話通信事業者、端末メーカーなど各事業者が相互に協力すれば安価に実現できると語る。さらに、このプラットフォームに参画する企業は、相互にトラフィックを増加させることにより、自らの事業レイヤーの収益に加え、他の事業者の所属する事業レイヤーへの収益も増やすことができると、新たなアライアンスビジネスの可能性を展開した。

既に運用が開始されているモバイルクラウド

 八子氏はB2Cのモバイルクラウド活用例として、ある商店街で検討しているサービスを紹介した。このサービスは、エンドユーザーのモバイル/PC端末向けにFlashで商店街の情報や店舗の情報を提供するもの。店舗や商店会側には、モバイル端末から写真や広告をアップロードできる。これらの基盤をクラウド上に展開し、1店舗あたりの導入・運用コストを抑えることができる。八子氏は、このほかにも、複数の端末に対応した個人認証、広告素材のデータベース、広告をマッシュアップするデータベース、効果測定アプリなどをスケーラブルに構築する新たな広告ビジネス事業にトライしているという。

 最後のまとめとして「クラウドによって初期投資が最小化されたうえで多くのデバイスにコンテンツを配信できるようになり、スマートフォンによってニッチなコンテンツが配信可能になります。このことをビジネスとして見極めて、大きなマーケットを創造してください」と八子氏は語り、講演を締めくくった。

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この記事の著者

森 英信(モリ ヒデノブ)

 就職情報誌やMac雑誌の編集業務、モバイルコンテンツ制作会社勤務を経て、2005年に編集プロダクション業務やWebシステム開発事業を展開する会社・アンジーを創業。編集プロダクション業務においては、IT・HR関連の事例取材に加え、英語での海外スタートアップ取材などを手がける。独自開発のAI文字起こし・翻訳ツールなど...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2010/01/07 20:00 https://markezine.jp/article/detail/9284

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