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MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

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ビジヲタ必見!「すべらない事業」の作り方

タウンページをヒントに起業した「データ復旧センター」のチャンスを逃さない事業の進め方

Q 貴社は他にも「データ便」というサービスを提供していますが、これはどのようなものでしょうか?

 「データ便」は画像やCAD、動画、音声などの緊急で送りたい/大容量のデータなどを、手軽に、かつ安全に送ることができる無料のサービスです。おかげさまで、現在では毎月200万人以上の方にご利用いただいています。

 なぜ、弊社がこのサービスを始めたかというと、データ便の開発前は私は他社サービスを使っていたのですが、いつも混雑していて使えないことが多かったからです。「使えないのであれば自分で作ってしまえ」ということで作ったのが、サービス開発のきっかけです。

 自分1人で使うのももったいないですし、「それなら皆さんに無料で使ってもらおう」と無料開放したのですが、3日で10,000人という利用者が自然発生したものですから、当然サーバーは落ちてしまいました。そのため、サーバー増設を繰り返していきました。

 私自身を含め、累計で数千万円を投資しましたが、おかげさまで現在は、広告収入や保存期間・容量を増やすことができるプレミアムサービスを提供することで、毎月安定的な黒字になっています。

データ便
データ便

Q 大変若くして起業家となった藤井社長ですが、これから起業を目指す方々へのアドバイスはありますか?

 人によっては「起業はすぐにでもせよ」という方もいらっしゃいますが、私はまずは1回就職をした方がよいと思っています。

 就職して、ある程度の予算を任されたりするくらいの立場になってからでも遅くないと思います。仮に失敗したとしても、最終的な責任はお金のことも含めて会社がとってくれるわけですし。

 ただし、就職するときに「いつまでに会社を辞める」というリミットを決めておくべきだと思います。感覚で言えば、32歳位までには独立すべきではないでしょうか。統計的にみても、私の周りを見ても、年齢が高くなればなるほど失敗しているケースが多いので。

 また、私の経験から言うと、もし地方在住で東京進出を考えているのであれば、まずは地元で小さく始めて、どの程度いけるのかという感覚を掴み、カツカツでもいいので何とか事業を回せるタイミングになってから、東京に出てくるべきだと思います。

 地元でビジネススキルや人的ネットワークの築き方を習得する練習を積んでからでないと、いきなりの東京での起業はキツイと思います。

Q 最後に藤井社長が事業ですべらないために気をつけていることを教えてください

 起業して1年位で黒字化させたら、まずは必ず借金をすることです。銀行からいきなりは無理かもしれませんが、金融公庫でもどこでもいいので、次の事業のためにお金を借りることです。

 私はアンチ無借金主義です。

 よく私たちの親の世代などは「借金は悪」と言いますが、私はそうは思いません。お金をどこからか借りることができるということは、信用があるということ。そして、借りたお金は必ず期日までにきっちり返す。これを繰り返していくことで少ずつ信用が積み上がっていきます。

 いざ大きなチャンスが巡ってきたときに、お金を借りようと思っても、お金は集まりにくいものです。チャンスが来たときにその波にしっかりと乗るためにも、お金は借りて信用も作っておくべきだと私は思います。

【インタビューを終えて】

 私が藤井社長と初めてお会いしたのは、前職のインターネット広告会社に勤務していたときだった。突然、会社の前から携帯電話でそのままアポ依頼。しかも地方からいきなりスーツケースと共に「社長」が商談依頼をしてきたのは、後にも先にも藤井社長だけだった。

 データ復旧サービス開始のための協力を得ようと福岡県庁に飛び込みで訪問をしたとおっしゃっていたが、藤井社長の素晴らしいところは飛び込みで訪問した先でも、継続的なお付き合いが生まれることだ。

 飛び込みというものは相手の懐にいきなり入っていくようなもので、単純なようだがそれを成功させるには、高いビジネススキル必要とされると思う。

 しかし、「臆せず社長自ら飛び込む」。この意外性に虜になる相手も多いのではないだろうか。

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この記事の著者

矢作 嘉男(株式会社ハチワン)(ヤハギ ヨシオ(カブシキガイシャ ハチワン))

株式会社ハチワン代表取締役。New Jersey City University卒。
中国人観光客向けクーポンサイトなどインバウンド媒体を運営。
2011年、中国のインターネットプロモーション事業を行う北京博洛密網絡科技有限公司と提携し、中国向けプロモーション事業を開始。本当に成果の出る中国市場向けインターネットマーケティングのみをを提供し、インバウンド向けから中国現地進出向けまで数多くの実績を持つ。
プロモーションのご相談:info@813.co.jp

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2010/02/25 11:00 https://markezine.jp/article/detail/9687

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