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コトウユウキの売れる!メルマガ講座

第4回 メルマガ、作っちゃうぞ(後編)


さあ、ずんどこ実践していきましょう

 今回も堂々と自分の恥を披露しつつ、現在コトウが発行している「シトロンマガジン」の内容を元に、より良いメルマガの作り方について考察してゆきます。

商品案内・おしらせ

 メルマガの「一番伝えたい内容」が来る部分です。もっともお客さんに見て欲しい内容をここに持ってくるのが一般的です。なぜ、目次の直下に「一番伝えたい内容」を持ってくるのか?

 これは非常に簡単明快な話で、前回のコラムで書いた通りにメルマガを作っていれば、ヘッダや冒頭文の行数が短くなっているはずなので、メルマガを受け取った人の環境によってはこの「商品案内・お知らせ」のコーナーまでが、ギリギリ受信直後の一画面目に表示されるのです。

 例えば、ワコムのメルマガを見てみましょう。

 コトウの環境なら、サマーキャンペーンの情報がギリギリ表示されます。「特価」「キャンペーン」「残り3日!」「終了間近」と、購読者の購買意欲を刺激する単語がたくさん並んでいます。これならふと気になって下にスクロールして本文を読み進めてゆく可能性もあります。

もしこんな構成のメルマガだったらどうでしょう?

 無駄にスペースを取るヘッダ。挨拶抜きで解除の案内。極めつけは最初の記事が「自己紹介」という……。まぁ、このサンプルは某メルマガ配信スタンドで最近配信開始したばかりのメルマガ創刊号の一覧から、とりわけ初心者が犯しがちなミスを多めに含んだものをピックアップして作成したのですが。

 もし創刊号だったとしても、ショップ店長がメルマガを発行するならばその目的は「商品を売ること」なので、それを忘れずに構成を考えるべきです。自己紹介は「読み物」の欄で充分。自己紹介するぐらいなら「メルマガ創刊記念割引キャンペーンのお知らせ」を大々的に一番上に掲載する方が効果を得られます。

 で、この「商品案内・おしらせ」の書き方としては、もっとも注目させたい部分だと言うことが一目で分かるように、黒い記号(●、◆、■など)を効果的に使うと良いです。罫線にも太めのもの(━、┃など)を使うと目を引きます。また、言い回しにはやはり読者の購買意欲をあおる「キャンペーン」「割引」「数量限定」などの単語を織り交ぜて下さい。ただし、あまり煽りすぎるとSPAMだと思われたり、「売ることばっかり考えててうっとうしい」と思われる場合があるので注意が必要です。

売り手と買い手の立場の違いに注意!
 読者は、売り手側が思っている以上に、売り手の営業スタンスに注目しています。「キャンペーンやってるから見てね」「この商品のこんな部分が使いやすいと思うよ」という「純粋な告知(のように見える記事)」ならばある程度は許されるのですが、(営利活動をしているショップのメルマガを購読しているにもかかわらず)「安売りしてます! いい商品なんです! だからあれも買って! これも買って!」とガンガン押されると強い嫌悪感を持つようです。ショップ側は、利益を削ってキャンペーンを打っているわけで、それに入れ込んでしまうのも人情ですが、お客さんの立場に立って押し売りは極力避けるようにしましょう。

 また、1つのキャンペーン・商品の紹介記事には必ず1つ、それに対応するURLを入れるようにしましょう。これは、メーラー上でURL部分が青色に表示されて目立つためです。もちろん、お店のサイトに読者を誘導して買い物をさせるためでもあります。 ただし、URLを何度も繰り返し書いたりするのはごちゃごちゃして逆効果です。また「商品案内・おしらせ」で紹介するのは3項目(全体で約30行)程度が限界だと思います。実際に60行以上ある商品案内を書いたこともあるのですが、はっきり言って後半の商品はさっぱり売れませんでした。

 あと「サーバメンテナンスのお知らせ」など、ややネガティブなお知らせについてはトップ項目に持ってこない方が賢明です。メルマガを開いてすぐにネガティブなお知らせが目に入ると、そのメルマガ全体が沈んだ印象になりがち。もし書くならば「商品案内・おしらせ」の一番最後か読み物や編集後記の付近がオススメです。

読み物

 メルマガを書く際に、書き手がもっとも本領を発揮するコンテンツです。単に商品やキャンペーンの案内をするだけのものならば「メールマガジン」ではなくて「メール広告」でしかありません。本当にそれだけしか書くことがないのならば、メルマガを出すよりもサイト上で新着商品として大々的にピックアップするだけでも充分です。だって、もう誰も彼もが広告メールやSPAMには飽き飽きしているんですから。

 女性ならば分かってくれるかもしれませんが、女性誌の最後に必ずある広告ばっかり並んでいる(しかも脂肪吸引とか占いとか整形とかそんな広告しかない)数10ページ、ちゃんと読んでる人なんていますか?よっぽど暇なら別ですが、あの「広告だけで雑誌を倍の厚さにしている部分」なんて邪魔以外のなにものでもありません。

 例えあなたが読者に読んで欲しいのは特売キャンペーンの案内だけだったとしても、広告部分だけでなく読み物としての記事を掲載することで、

「これは単なる売り込みではなく、れっきとしたメルマガなんだ」

 と読者にアピールすることができます。また、この読み物部分には書き手の人柄が如実に現れてきます。顔の見えないネットショップだからこそ、こういうところで人柄を見せ、「この人のお店だから買い物をする」というファンを着実に増やしてゆきましょう。

 読み物の内容としては、商品に関わる知識を読者に伝え、知識欲求を満たすものがベスト。読者にとっては、ひとつ知識が増えると共に、その記事を書いた店長が充分な商品知識を持っているということを確かめる材料にもなるのです。もちろん、ここで書いた記事はショップのサイトにも掲載し、コンテンツを充実されることに役立てても良いでしょう。

 しかし、コラムのネタもそう頻繁に思いつかないし、長い文章を書くのは苦手、という人も多いでしょう。そういった場合は、お客様に書いて貰うのが一番の近道。「商品の感想やコラムを投稿してくれた人には○○プレゼント」といったカタチで、記事を投稿して貰います。こうすることで、商品を使った人の生の声を得ることができ、またそれをメルマガに掲載することで他の読者の購買意欲を煽ることもできるのです。

 他にも、お店の最新情報を伝えるコーナーも、日記感覚で書きやすいと思います。最近こんな商品が売れている、こんな問い合わせがあった、こんな風にサイトのデザインを変えてみた、など。簡単に最新情報が伝えられるというメルマガの利点を活かしたコンテンツならばネタ探しもしやすく、細かいネタをいくつも並べることで分量を確保できます。

 ちなみにシトロンマガジンでは、コトウ自身に毎週コラムを書く余裕がなかったこともあり、創刊の段階から常に数名の執筆者にお願いをして、週替わりで連載コラムを書いて貰っています。フリーライターさんなど、書くことを生業としている方には執筆料をお支払いすることもありますし、もともとメルマガの読者だった方については基本的に無償でコラムを書いて頂いています。

 これまでのコラム内容は、製薬会社の社員が書く「生理と薬」の関わり、無添加化粧品の営業所長が書く身体に優しい日用品の選び方、カウンセラーによるPMS(月経前緊張症)対策、フリーライターによる生理用品の歴史や素材についての豆知識、メルマガ読者が実際に布ナプキンを初めて使うリアルタイムの体験記などなど。もうこのコラムだけで充分に読み応えがあり、また、読者層の絞り込みを行い、シトロンマガジンの読者層が特に興味を持つであろう内容だけを取り上げているため、精読率の向上にも繋がっています。

 もちろん、記事もネタもないときに、無理をして読み物を書く必要はありません。気が乗らないときにコラムを書いても、逆効果になることがあるからです(夜中に書くラブレターのように入れ込みすぎてもいけませんが……)。自分でコラムを書くときには、まず落ち着いて、読者にアピールしたい自分のキャラクター(真摯である・優しい・商品知識が豊富など、実際の自分とは多少ずれていても構わないので「店長としての自分」の理想像を持つことが大事)をきちんと心に思い浮かべ、それから記事を書いて下さい。何度も繰り返しますが、顔の見えないネット通販だからこそ、読者はメルマガの文章からあなたの人柄を読み取ろうとしているのです。

 まずは、無理をして書かないこと。そして、最初から無理そうならば、他の人に頼ること。すべてを自分で書き上げようとすると辛くなってしまいますが、知人や読者の方に記事を書いて貰えば自然に感謝の心も芽生え、思いがけず良い結果に繋がったりするものです。と、まるでいい人ぶって書いてみましたが、これまたあからさまにコトウがMarkeZineでアピールしようとしているキャラクターとは違いますので皆様も違和感を感じているに違いありません(何事も即実践です)。

編集後記

 あってもなくても同じだけれど、ないと寂しいのが編集後記。
のような気がしています。最近。

 もちろん、創刊したばかりで余力がない場合は編集後記は不要です。これまでシトロンマガジンには編集後記がなかったのですが、先日のリニューアルに合わせて編集後記コーナーを新設してみました。この10行が読後感の善し悪しを決めることもあります。

 編集後記といってコトウが一番最初に思い出すのは、ずーーーーーーっと昔の「ウィークリーまぐまぐ」。20世紀の「ウィまぐ」の編集後記とフッターは本当に面白かったのです。例えばこんな。

 爆笑ではなくくすくす笑いだったり、ニヤリだったり。深水さんが書いたヒトコト(編集後記?)に反応するフッターの様子が楽しい。これぞ編集後記です。確かもっともっと面白いヒトコトがあったのですが、発掘できませんでした。とにかく1998年あたりの「ウィまぐ」の編集後記には、思わずニヤリとしてしまう遊び心が詰まっています。

 まぁ、正直、編集後記なんてあってもなくてもいいんです。いいんですが。 書き手が仕事を忘れて一発ネタを書いても許される、こんなスペースを残しておいても良いのではないかと。ええ。たまにウケのいい一発ネタが書けてしまって読者から感想なんか来たら小躍りしちゃいます。

 ヘッダー下には絶対に書けないような余計なことを書いても許されるスペース、それが編集後記。せっかくなので、これからメルマガを書かれる皆様はぜひ編集後記に全力を傾けていただきたいものです(ここまでの記事が台無しです)。

フッター

 ヘッダーと同じ内容でいいんじゃない? と最近まで私も思っていたのですが。この部分は奥付として、発行者の連絡先や解除URLなどを明記するのがよいようです。

 やはり、路面店と比べて信用を得にくいネットショップだからこそ、「特定商取引法に基づく表示」と同様、メルマガ上でも身元を明らかにして、信頼できるお店がメルマガを発行していますよ、ということを告知する必要があるのです。

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ふたたび 劇的!ビフォーアフター

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この記事の著者

コトウ ユウキ(コトウ ユウキ)

株式会社オフィスコトウ代表取締役。2004年10月15日に、生理用布ナプキンの輸入・販売を手がけるオンラインショップ「シトロン」を設立。「ブルーデイをハッピーに」をキャッチコピーとして、現在布ナプキンを世の中の女性に浸透させようと日々活躍中。シトロンとして発行してきたメルマガは7月24日現在で118通にも上る。公演・講師経験多数。その他に...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2006/08/29 14:31 https://markezine.jp/article/detail/109

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