SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

直近開催のイベントはこちら!

MarkeZine Day 2025 Retail

短期集中コラム iPadマーケティング最前線

薬学博士マーケターが挑んだ、BtoB企業初のiPadマーケティング
初めてのトリプルメディア戦略構築の舞台裏


トリプルメディア戦略の中心は魅力あるコンテンツ

 通常は企業または企業メッセージを中心に考えて戦略を組むのですが、日々膨大な情報と接しているターゲットのことを考えると、「まず情報を受け入れてもらう、そのために喜んでもらえる情報をつくる」ことを優先し、あえてダイレクトな企業メッセージではない、オリジナルのコンテンツを制作することにしました。そうした背景から、トリプルメディア戦略の中心に位置する「情熱の系譜」というコンテンツが制作されたのです。理念も踏襲した「情熱の系譜」というコンテンツのコンセプトとゴールは次のようになります。

コンセプト

先代たちから受け継がれる「情熱」がある。偉業の今昔を対比させながら受け継ぐ「情熱の系譜」を紹介。

各方面で活躍する著名人を「現代の偉人」として紹介するとともに、彼らが影響を受けた「過去の偉人」を紹介する番組。「現代の偉人」に対するインタビューと、「過去の偉人」が成し遂げた偉業を通じて、過去から未来に繋がる“情熱の系譜”を伝える。
ゴール

協和発酵キリンの歴史、「新しい歴史を創る製薬会社」というコーポレートメッセージを間接的に伝える。

 今回の施策は、トリプルメディア戦略です。

 サードパーティメディアのTVで「情熱の系譜」の放送を基軸においていますが、YouTubeにも同じコンテンツを掲載し、いつでもどこでも見ることができるようにしました。しかもTV番組をYouTubeで同時配信するという業界初の試みにもチャレンジしました。この取り組みによって、TVでは接触することができない視聴者との接点をリアルタイムで持つことが可能になりました。

 また、オウンドメディアである番組公式サイトとソーシャルメディアのTwitterを連携させて、ユーザーの皆さまから「情熱のフレーズ」を募ることで、より番組を身近に感じていただくことが可能になりました。投稿していただいた「情熱のフレーズ」は、番組公式サイト上でDNAの形にアレンジして表示しています。皆さんの情熱を、過去から現在、そして未来へと受け継いでいこうというメッセージを表現したダイナミックな企画になっています。

「初」づくしで「情熱の系譜」コンテンツのPR効果を最大限に高める

 いろいろな施策を展開するにあたり、各施策の相乗効果を期待しながら、PR効果を最大限発揮することを狙いました。そのため、テレビ東京さんのご協力で、YouTubeリアルタイム配信を実現したり、Twitterで投稿していただいた皆さんの「情熱のフレーズ」をbot化したりと、施策ごとに「新しい」要素を盛り込んでいきました。これらは、メディアにもニュースとして取り上げられ、狙った通りの効果を出すことができたのです。

  • 製薬企業として初のトリプルメディア戦略
  • YouTubeでのTV番組リアルタイム配信
  • Twitterユーザーのフレーズのbot化
  • TV番組の国内初iPadアプリ開発、アプリ内企業広告

 そして、このトリプルメディア戦略の抑えの切り札として、iPadをオウンドメディアとして導入したのです。iPadについても、戦略上の位置づけ、コンテンツの開発、社内調整(ここは重要です)をスピーディーに行って、iPadの日本発売に合わせて展開を開始しました。

 iPadを広報戦略のデバイスとして導入するに至るまでのプロセスと、実際にiPadを活用した成果、ひいてはトリプルメディア戦略の成果についてのお話は明日公開の記事で紹介します。お楽しみに。

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • note
関連リンク
短期集中コラム iPadマーケティング最前線連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

長谷川 一英 (薬学博士)(ハセガワ カズヒデ)

1990年、東京大学大学院生命薬学専攻博士課程修了。同年、協和発酵工業に入社。東京研究所に配属、動脈硬化治療薬の探索研究に携わる。2000年、米国スタンフォード大学に留学し、臓器移植の研究に従事。帰国後は、医薬総合研究所で薬の作用メカニズムの分子レベルでの解析を行う。
14年間の研究開発の後、経営企画室主査を経て、2...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2010/09/15 14:10 https://markezine.jp/article/detail/11419

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング