MySpaceに忍び寄る影
ここで、冒頭でも述べたイギリスでのトラフィックのデータを見てみよう。オンライン調査会社Hitwiseによるものだが、それまではわずかにMySpaceに及ばなかったBeboが7月22日の週から伸び始め、8月5日の週にトラフィックのシェアで12.91%対12.49%とついにわずかながら超えた。

ただ、これは一時的なデータであるので、Hitwiseのソーシャルネットワークでのトラフィックのデータを見ると、4月、5月、6月のトップ5の数字は下記のようだ。これは国別ではなく、ドメイン総合の数字となっている。

まず目につくのが、MySpaceの圧倒的なシェアの高さだ。同じNews Corp傘下のFoxテレビネットワークで放映のアメリカのトップ視聴率の音楽リアリティTV番組「American Idol」での番組との共同プロモーションなどの効果も出ていると考えられ着実にシェアを上げている。それに対してFacebookやYahoo! 360などはシェアを若干だが落としている。
戦国時代に突入したソーシャルネットワーク
Beboが話題になっている理由のひとつがシェアの母数は小さいながらも5月から6月にかけて21%と大きく伸ばしているところだ。また、ブリティッシュテレコムが5億7100万ドルで買収交渉を始めたところ10億ドルでないと話を進めないという返事をしたという話やMTVの親会社のViacomがの買収交渉に動いているという話も流れている。
そして、シェアを若干落としたFacebookが広告主向けのソリューション提供のために広告代理店グループInterpublicとの提携を発表したり、MySpaceに大きく溝を開けられたその他のソーシャルネットワーク会社がその挽回策を練っているようだ。マスメディア、マス広告主との提携・買収を経て、ソーシャルネットワークは新たな競争の段階に差し掛かりつつある。News Corpが火をつけた、ソーシャルネットワークのマスを絡めた戦国時代はまだ始まったばかりと言えよう。