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知らないとマズい? Hit Service Showcase

わずか1カ月で会員100万人増、Twitter級の注目を集める位置情報サービス「foursquare」とは?


スターバックス、ZAGATなどもプロモーションツールとして活用

 foursquareは「さまざまなスポットでcheck-inする」「特定のスポットで1番多くcheck-inする」といったところで競うゲーム性を持つだけに、店舗を運営する側にとっては、新規客の獲得、リピート客の増加に役立つ販促ツールとして活用できる。

 例えば、スターバックスはfoursquareと協業して、オリジナルのバッジを提供している。「5店舗以上のスターバックスにcheck-inする」と同社のバッジをもらえるのだ。さらに、Mayorになったらフラペチーノを1ドル引きにするというキャンペーンなどを実施した実績もある。

 バッジの提供といった深いシステム部分まで踏み込めるのは一部の企業のみになるだろうが、一般の店舗のオーナーでも、簡単に自店舗をfoursquare上でプロモーションすることが可能だ。

 というのもfoursquareの側で、既に店舗向けのシステムを提供しているのだ。「Mayorにだけ無料で一品プレゼント」「5回check-inするたびに20%OFF」などのキャンペーンをそのシステムを介して自由に発信できる。

 利用者数の拡大ペースに拍車を掛けるには、ユーザーにインセンティブを与えてくれるこのような企業側からのアプローチも重要な要素だろう。2010年8月時点で、foursquare上で限定キャンペーンを展開しているスポットの数は、世界で1万5000を超える。日本でもMayor特典として、前菜を一品無料プレゼントするピザ屋などが現れてきている。

 foursquareはただゲーム性で楽しませるだけではなく、パートナー企業からの有益な情報が得られるという点でも、ユーザーにとって魅力的なプラットフォームとして育ちつつあるようだ。

 また、店舗を持つ企業だけではなく、メディア企業にとってもfoursquareは無視できないプラットフォームになってきた。

 一例として、レストランガイドの『ZAGAT』はレストラン情報をTipsとしてfoursquareに提供、「ZAGATのレーティングが付いている5カ所のスポットにcheck-inする」とバッジが得られるようにしている。

 同様に、娯楽雑誌の『People』は、セレブがよく使うお店などの情報をfoursquareのTips上で公開。CNN、MTV、The New York Times、THE WALL STREET JOURNALなどもfoursquareと提携を結び、Tips用に情報を渡している。金銭が発生していないメディア企業もあるようだが、一部のメディア企業からは収益を得て、情報の掲載を許可しているという。こうした事実からも、foursquareに対するアメリカでの評価を伺い知ることができるだろう。

スターバックス、ZAGATなど企業が提供しているバッジの一例
7 各社のバッジのキャプチャ

予断を許さないプラットフォーム争い、foursquareはTwitterになれるのか

 fousquareはTwitterと同様、APIを公開して自由に使えるように配布している。そのAPIを活用して、foursquare上で店舗が用意している特典情報のみを集約した情報サイトなども既に登場してきていることから、今後ますます、foursquareを基盤にしたサービスは増えてくることだろう。

 foursquare自体がcheck-inした場所をTwitterやFacebookで友達に伝えさせることで認知を広め、ユーザー層を拡大してきた面もある。既存のプラットフォームをうまく活用して成長してきたfoursquareが、今度は新たな基盤として、新しいサービスの広がりを支える立場として機能するか試されているわけだ。

 ただfoursquareは現時点で、TwitterやGoogle、Facebookほど優位な立ち位置を確立できているわけではない。

 というのも、かなり近い機能を持ったGowalla、ゲーム性がより強いMyTownといった新興のサービスとの争いがあるのに加え、老舗の店舗口コミ情報サイトのYelp、既存プラットフォームのTwitterやFacebookなども位置情報サービスに本腰を入れつつあるからだ。

 中でも大きな動きとして、Facebookは8月19日、「Facebook Place」というfoursquareとよく似たサービスをリリース。今後の予断は許されないが、現状ではAPIを公開し、foursquareをはじめ、GowallaやMyTown、Yelpなどもパートナーとして受け入れる姿勢を見せてはいる。

 foursquareはこの7月から8月にかけて、会員を100万人近くの増加と、前月比で約1.5倍の急成長を遂げた。今のところはFacebookの参入によって位置情報サービス市場が活性化し、Facebookユーザーが流れ込む恩恵を受けているようだが、先行きはまだまだ不透明。

 とはいえ、短期間でこれだけの急成長を遂げ、日本国内でも類似サービスが続々と登場している現在、foursquareは間違いなくWeb業界の最注目サービスの1つだろう。

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この記事の著者

中嶋 嘉祐(ナカジマ ヨシヒロ)

ベンチャー2社で事業責任者として上場に向けて貢献するも、ライブドアショック・リーマンショックで未遂に終わる。現在はフリーの事業立ち上げ屋。副業はライター。現在は、MONOistキャリアフォーラム、MONOist転職の編集業務などを手掛けている。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2010/10/05 15:14 https://markezine.jp/article/detail/11870

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