AnalyticsViewの活用方法
作成できるレポートは全部で11種類。その中から、私がもっとも便利だと感じた、ベスト3のレポートと、その活用方法を紹介します。
Goals Overview
成果を分析するためのレポートです。

成果の発生回数、主な流入元、そして、さまざまな期間との比較を表形式で行っています。前月と比較してどれくらい増えた・減ったが一目でわかります。
また、このツールの便利なところは、表に行数を追加したり(ここでは、「発生売り上げ」を追加しています)、メモの追加もできるという部分です。印刷ボタンもついているので、このままレポートとして使えてしまいます。

Historical Benchmark Report
どれか1つのレポートを上司に提出、あるいは、チーム全員で共有するならこのレポートです。
サイトへの訪問回数のグラフ、そして訪問回数・コンバージョン率・直帰率という3つのデータを「現在VS直前の同範囲期間」「現在VSレポート作成時に設定した比較期間」「現在VS前年同月比」で比較してくれます。
今のサイトの健康状態を1枚で表すには最適なレポートです。

このデータを見て、赤の下矢印が書かれている「現在の方が悪い部分」があれば、ぜひGoogle Analyticsに戻って詳細をチェックしてみましょう。健康診断にぜひ活用してください。
Engagement Report
ユーザーがサイトにどれくらい興味を持っているのかを表わしたレポートです。主な項目として、
- 平均滞在時間
- 期間内での訪問回数の分布
- 平均閲覧ページ数の分布
- 急激にアクセス数が増えたページ群
といった情報を一目で見ることができます。

特に「急激にアクセス数が増えたページ」は便利です。該当ページをGoogle Analyticsで更に分析し(流入元やキーワードを確認し)、今後の集客にぜひ活用してみてください。
AnalyticsViewの不便な点
非常に便利なツールなのですが、利用する中で不便な点を感じたので、利用を検討されている方に紹介しておきます。
- 日本語のキーワードが出てこないという部分です。キーワード関連のレポートは参考になりそうなのですが、残念ながら日本語の場合は正しく表示されないようです。
- リクエストを毎回投げる必要があるということです。毎月自動的にデータを更新してくれたらよいのですが、毎月あるいは毎週(1レポート数分とはいえ)ログインしてアップデートボタンを押す必要があります(以下で紹介する有料版では自動的にアップデートしてくれる機能があるようです)
- 「印刷」機能しかなく、レポートをメール配信する機能は無いようです。あればさらに利便性が上がるのに、と感じました。
有料版について
AnalyticsViewには、有料版もあります。
有料版は$25/月で、プロフィールは10個まで作成可能、カスタムKPIの作成、レポート共有、タグが正しく入っているかどうか確認するためのサイトスキャン、優先的なメール問い合わせが受けられるプレミアムサポートが付属しています。
利用する中で「このツールは使えるな!」と感じた方は、ぜひ7日間の無料トライアルも活用しながら、検討してみてはいかがでしょうか?
今回は2つのツールを紹介させていただきました。次回の連載では、更にGoogle Analyticsのレポーティングを楽にするツールを紹介していきたいと思います。次回もよろしくお願いいたします!
お知らせ
ソフトバンククリエイティブ社より、筆者が書いた『入門ウェブ分析論~アクセス解析を成果につなげるための新・基礎知識~』が2010年10月1日より発売となりました。MarkeZineでの連載とは違った視点で、ウェブ分析の基礎から、サイトの課題発見・改善に関する各論を書いております。ぜひ、お手にとっていただければと思います。
