Check→Actionのポイントは“正しい高速化”
高速化と正しいを分けて捉え、まずは「PDCAの高速化が必要であること」から語られた。
ネットによる情報伝播スピードの圧倒的向上により、市場(ユーザー)の変化が高速化している。また、デジタルで数値が取れることで効果検証が容易だ。競合会社はこれら数値検証を活用し、日々改善施策を打ってくる。
必然的に競合他社との競争関係は激化するため、高速化を意識する必要性が出てくる。ただしその際、「チェック、アクションを高速化すると同時に、PDCA全体の高速化も実現する必要がある」と遠藤氏は指摘する。
では、正しい高速PDCAとは何か。これは、「仮説に基づいたコミュニケーション改善」にあるという。きちんと基盤を作っていく段階で立てた仮設を検証しながら、仮説とずれているところを改善していく。つまり、変化し続けるユーザーニーズを迅速に捉え、顧客とのコミュニケーションを改善していくことになる。そのためには、新しい仮説を立て、トライアルを繰り返し、ユーザーに対する肌感やノウハウを蓄積していくことがカギを握る。また、ユーザーコミュニケーションを新しい仮説に基づいていつ改善するか、というタイミングも図っていかねばならない。
ここでは成功事例として、サントリーの角ハイボールの事例も紹介された。
ただし、さまざまな事例の中では、次のような課題も浮かび上がる。その課題は次の3点だ。
- データ幻想により低精度の改善案が導かれる
- 大量データの埋没
- 作業のための作業で時間浪費
大量のデータを見ているだけで満足しがちな現象を指すのが1。3は、真面目に検証しようとするがあまり、ただでさえ時間がない中、作業のための作業が発生してしまう悪循環を指摘する。
これらを改善する打開策として、「ユーザーと成果にフォーカスして自社でシナリオを効率的にチェックすること」と遠藤氏は明言する。