実践~正しい高速Check→Action
成果向上のための効果検証→入口・出口分析
成果向上のための効果検証を効率的に実行するためには、「コミュニケーションの仮説検証を目的に入口と出口のみを把握」し、施策の大局観を捉えることが最優先だという。
そのためには、
- 仮説を検証するためにデータを見ることを強く意識すること
- ビジネス成果(=出口)にフォーカスすること
- データはユーザーごと(≒入口ごと)に検証する
という、3つのアクションが重要になる。
1は、やみくもに大量データを見るのではなく、事業判断を行うための、成果に直結するデータ分析をすべきであることを示している。2および3は大局観の把握を意味する。大局観を把握した際、大きな課題が見つかれば、そこからサイト内解析につなげ、詳細の深堀りを実行していく。
入口(流入経路)とそれぞれの出口(成果)を追うことでユーザーシナリオ(Plan)ごとの成果を把握しておくのだ。サイト内の経路分析などの細かい分析は、P→Dのプランニングの際に実施すればよく、日々の運用では後回しでよいという。
分析時間の創出→業務効率化
さて、実際の運用フェーズでは、データチェックや効果検証の準備作業にほとんどの時間が割かれ、成果を上げるための分析・改善に時間を割けないのが実状。
きちんと改善しようと思えば思うほど、作業のための手間がかかり、気がつけばエクセルまみれになってしまう。作業の手間を最小限に抑え、分析・改善に頭脳を活かすためにも、自動化できる作業ではもっとツールを有効活用し、業務効率化を図っていく必要がある。
このような課題を解決する方法の1つが、広告効果測定ツールの導入だ。多忙な広告主でも一目で成果を把握することができ、パラメーターの発行などの運用・管理も自動化することができる。広告効果測定ツールを導入することで、担当者は本来やるべき仕事である、仮説立案、成果検証、改善案実施といった作業に注力することができる。
広告効果測定ツールの導入事例としてはサントリー酒類の事例が紹介された。ビービットが提供する広告効果測定システム『ウェブアンテナ』を導入した同社では、チームメンバー皆が成果を意識するようになり、週に1回は激しいグループディスカッションが展開されている。また、部下もレポート作成から解放され、改善施策の考察に集中できるようになったようだ。
これまでの話を総括すると、PDCA実行に際し、P→D、C→Aを分けて考えることが求められる。P→Dでは、ユーザー理解をベースに、目指すべきゴール(成果)とターゲットユーザーを定義し、その間をつなぐ一貫したコミュニケーションシナリオを計画していく。また、C→Aのキーワードは正しい高速化。見るべき指標を絞り込み、広告効果測定ツールを活用して効率よくPDCAを回すことで成果が上がる。
最後に遠藤氏は「みなさん、日々PDCAを回されていると思いますが、『本当に、正しいPDCAが回せているのか?』という点を、見直してみてはいかがでしょうか。この講演がそのきっかけとなれば嬉しく思います」と語り、講演を締めくくった。