米国企業の成功事例が教えてくれること
ここで、米国の成功事例をいくつか紹介しましょう。
事例(1)マイクロソフトのXboxはソーシャル対応でギネス認定
米Microsoftの家庭用ゲーム機Xboxは、Twitterでプロアクティブ(率先して行動するの意)なサポートを実施しています。通常、カスタマーサポートは受け身で、連絡が来るのを待っているものなのですが、このチームはまったく違うのです。
Xboxでは、製品にかかわるつぶやき(ツイート)を手当たり次第にモニターしています。そして、ヘルプできることがあれば即座に返信。Xboxのチームから直接返事が来るなんて、お客さんにとってはうれしい驚きですよね。また、問題が起きた場合には、お客さんから問い合わせ電話が入る前に、ツイートで知らせます。サポートコストは削減できて顧客満足は大幅向上! 最も顧客対応に優れたTwitterブランドとして、ギネスに表彰されました。
事例(2) ティラモク牧場
オレゴン州のTillamook牧場。過去100年間、家族経営を続けています。この牧場が最近、初めてテレビCMを出しました。この経緯が面白いのです。Facebookのファンに、「あなたが初めてTillamookアイスクリームを口にしたときの感想を聞かせてください」という質問をしました。たくさんの回答が集まり、ファンとやりとりしている間に、なんとファンである子供がコマーシャルに出演することになりました。お客さんが自ら出演して、自ら宣伝してくれる、まさに理想のマーケティングですよね。
これらの事例から学べるのは、どの企業も経営の一環としてソーシャルメディアマーケティングに取り組み、緻密な戦略を練り、消費者1人1人と向き合っているという点です。自社製品を使っている人を自発的に探し出し、もし満足していない顧客がいるならば、その顧客に自分たちからアクセスをし、必要な情報を提供しているのです。こうした企業姿勢こそが、真のソーシャルメディアマーケティングの姿といえるでしょう。
ソーシャルメディアマーケティングは企業の顧客姿勢を映し出す鏡
成功したソーシャルメディアマーケティングの事例が教えてくれるのは、企業の経営者やマーケティングの責任者が、社会や利益に対してどう向き合おうとしているかをソーシャルメディアによって体現していることです。「ソーシャルを含むマーケティングによって何を実現するか」という本質的な問題と向き合わずに企画を立てても、頓挫するのがオチなのです。
成功の鍵は、消費者と向き合うこと
ソーシャルメディアマーケティングの成功の正否は、経営者のリテラシーや中間管理職のレベルが握っています。換言すれば、管理者や経営者の問題なのです。そこに提案するのがあなたの役割です。それこそが、ソーシャルメディアで成功するための王道であり、もっとも効率的な手法といえるでしょう。
小手先の企画やアイデアに頼る「代理店主導の話題(バイラル)喚起型」ではなく、消費者が「この企業のことをもっと知りたい」と思えるような「経営主導のファン拡大型」のソーシャルメディアマーケティング。これこそが今求められている企業のソーシャルメディア活用の在り方です。
あなたの企業は消費者ときちんと向き合っていますか? そしてそれが会社の利益につながることを経営者は理解していますか? 企業と消費者の新しい関係を作るための本質的な部分を深く議論する。これがソーシャルメディアに取り組む価値であり、マーケティングを突き動かす原動力になるでしょう。

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