1ページ1コンテンツ
基本的にウェブ解析ツールにおける分析の最小単位は「ページ(URL)」です。どのページを参照しているのか? どのくらい訪問があったのか? どのくらい直帰/離脱してしまったのか? といった情報は、どのツールでもページ単位になります。
1ページにさまざまな意味合いのコンテンツが含まれていると、そのページ自体の効果があがっていたとしても、どのコンテンツが最も効果があったかを解析ツールで知ることができません。

これを1ページ1コンテンツ、そしてそのコンテンツが1つの意味だけを持つようにすることで、ページの効果を解析すれば、それが具体的にどのようなコンテンツで効果があったかを判断できるようになります。コンテンツを考える際は、第1回、第2回で触れた興味バロメータの考え方が参考になると思います。
ランディングページを改善する際のポイント
この1ページ1コンテンツの考え方に基づき、ランディングページからリンクする各ページを構成します。

こうしたコンテンツの解析データを確認し、Step1でそのニーズと効果の高いページを発見することができれば、その発見をランディングページのコンテンツへ具体的に反映させていくことも難しくありません。簡単に修正可能なのがウェブページの良い点です。
「ランディングページからの遷移先ページ」としてニーズが高かったものは、ランディングページにフィードバックし、より強みとなる部分や引きとなる部分を強調していきます。そうすることで、そのニーズの高かったページ、そしてコンバージョンへとユーザーが遷移しやすい構造を作っていくことができるようになります。これがStep2で行う作業です。

冒頭でも触れたとおり、ランディングページは1回作ってそれで終わりになりがちですが、このようなステップを踏んでいくことでより効果の高いページに変化をさせていくことができます。
また、遷移先コンテンツの中で、どのコンテンツがコンバージョンの後押しをしているのかも、ウェブ解析ツールを使って分析していきます。例えば、「価格」のコンテンツがランディングページ上ではクリックされていないものの、コンバージョンする前には必ず参照されていると、「価格」コンテンツはコンバージョンに誘導する後押しをしている可能性が出てきます。後押ししているコンテンツが見えてきたら、ランディングページ上で表示する情報の絞り込みを検討します。そのために、先ほどの「価格」コンテンツの例であれば、価格の訴求はそれほど大きくランディングページでは行わず、遷移先ページ群の中で、「価格」コンテンツをより強調できるようにしていきます。
1回で終わらせないランディングページへ
ウェブ解析ツールを使うことで、“ページ自体のパフォーマンスが悪い”“遷移先のコンテンツでの離脱が大きい”といったさまざまなデータが得られます。まずは、こういったおおよその悪い部分を見極め、改善していくことが第一歩です。
しかし、その先の改善を、思いついたアイデアだけで進めていってしまうとリスクも大きいうえに、途中で息切れしてしまいます。今回紹介したように、公開後の分析を踏まえた設計でコンテンツを作成し、ウェブ解析ツールを使うことで、最適化を戦略的に推進していくことができるようになります。
ニーズが高いことが分かったコンテンツはランディングページだけではなく、サイト内や広告アプローチなど、さまざまな施策にフィードバックしていくことも可能です。このようにデータを使っていくことが、息切れをしないサイト最適化につながってくると言えます。次回は、このアプローチを応用した実際の事例を紹介したいと思います。