SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

直近開催のイベントはこちら!

MarkeZine Day 2025 Retail

業界キーパーソンと探る注目キーワード大研究

58時間で100万人が登録したmixi Xmasの裏側
― mixiが考えるソーシャルグラフのマーケティング活用

キーポイント(2):イベント感を盛り上げる仕掛け

 靴下のデコレーションアイテムは豊富に用意され、組み合わせ次第で約100万通りものデコレーションが可能。デコレーションした靴下は、『mixiフォト』でマイミクにシェアできるようになっていた。前述の『mixiボイス』を含め、これらのフィードを見たマイミクにアプリに興味を持ってもらい、自分も使ってみようというきっかけを作るための仕掛けだ。最終的に、アプリ経由のmixiボイス投稿総数は約283万件、アプリからの総フィード数は約3億件以上となった。

キャンペーン開始から58時間で100万人のユーザーが登録した。これは世界的にも例を見ない。誘導バナーは設置しておらず、社内スタッフが利用して投稿したフィードを起点に、それを見て利用を開始したユーザーのバイラル効果によるものだ。ここまで短期間に広がるとは思っていなかった。私たちの想像の域を超えていた」(新田氏)

ユーザーのアクションをフックにmixiの各機能でマイミクに拡散し、驚異的なバイラル効果を発揮
ユーザーのアクションをフックにmixiの各機能でマイミクに拡散。驚異的なバイラル効果を発揮
mixi Xmas 2010の認知経路調査結果
mixi Xmas 2010の認知経路調査結果
mixi Xmas 2010の最終的なアクティビティ
mixi Xmas 2010の最終的なアクティビティ

 また、試験的な試みとして、マイミクのmixi Xmas 2010への参加情報をバナー広告枠に表示するソーシャルバナーを24時間限定で実施。非常に高いクリック率となり、バナーをソーシャル化する、という施策での手ごたえもつかんだという。

「ユーザーがmixiに来る際の大きな理由の1つに、友人の現状や動向を確認するというものがある。そのため、友人知人が参加していれば、広告的な指標も上がっていくはずだと考え、実際に高い数値が出た。ユーザーが楽しめるコンテンツにおいて、こうしたソーシャルの要素をバナーの設計にも応用し、活用していくことは十分可能だと考えている」(新田氏)

マイミクのmixi Xmas 2010への参加情報を掲載したソーシャルバナー広告
マイミクのmixi Xmas 2010への参加情報を掲載したソーシャルバナー広告

キーポイント(3):PCとモバイルのデバイス最適化

 mixi Xmas 2010は、PCとモバイルの両方で提供された。PCでは友達の靴下を並べて表示できたり、『もろびとこぞりて』の音楽が流れたりと、豊かな表現でクリスマスムードを盛り上げた。一方、モバイルではクリエイティブの制限がありながらも、その手軽さを活かした最適化がされていた。

「外出先で携帯からアプリを楽しみ、帰りにコンビニでクーポンをもらう、といった利用シーンを想定した。ソーシャルグラフをうまく活用するには、こうした『エモーションの熱さ』を逃さない流れを大事にする必要があると考えている。PCとモバイル両方のアプリを作るのは、全く新しいアプリを2つ作るのと同じくらいの労力がかかるが、PCとモバイルの両方で同じキャンペーンが打てるというのは、世界でも類を見ないmixiの優位性だと言えるのではないか」(新田氏)

 このように、「ユーザー同士のコミュニケーションのネタになる仕組み」「ユーザーのアクションを拡散させるための仕掛け」「最適なデバイスの選定」といった点が、今後、ソーシャルグラフ上でうまく機能するキャンペーン設計のポイントになりそうだ。

次のページ
ソーシャルグラフをECに活用する新たな試み

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
関連リンク
業界キーパーソンと探る注目キーワード大研究連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

野本 纏花(ノモト マドカ)

1983年生まれ。成蹊大学経済学部卒業。大学卒業後、大手IT企業にてレンタルサーバーサービスのマーケティングを担当。その後、モバイル系ベンチャーにてマーケティング・プロダクトマネージャーを務める傍ら、ライター業を開始。旅行関連企業のソーシャルメディアマーケターを経て、2011年1月Writing&Marketing Com...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2011/02/18 14:00 https://markezine.jp/article/detail/13387

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング