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58時間で100万人が登録したmixi Xmasの裏側
― mixiが考えるソーシャルグラフのマーケティング活用

ソーシャルグラフをECに活用する新たな試み

 mixi Xmas 2010では、5日間限定のトライアルとして『有料プレゼント機能』も実装された。これは、プレゼントの抽選に外れても、有料でプレゼントを購入して友人に贈ることができる機能。プレゼントを贈っても自分自身は全く何ももらえない、純粋なソーシャルギフトだと言える。プレゼントには、デイリー版プレゼントと同じ「お菓子とデジタルコンテンツ」が用意された。

 この有料プレゼント機能は、あくまで企画全体の中の、オプションのような位置づけだったが、5日間で約12,000回のギフト決済が行われた。mixi内では、友人・知人の間で話題になった楽しい体験のコンテキストの中に、広告主の商品が自然に入ってくることによって、その商品に対するエンゲージメントが高まるという結果が見えてきているという。

「AIDMA・AISAS・SIPSなど、消費者の心理プロセスが様々に分析されているが、ECに友人とのコミュニケーションが加わることによって、途中の過程をあっという間に超えて、決済まで進んでしまう。ECをソーシャルグラフにうまくはめる場合、前述のように、ユーザーが覚えた感動の熱量を保ったまま、いかにストレスフリーで購入まで辿りつけるかという、『速さ・手軽さ』が重要になってくるだろう」(新田氏)

 有料課金のトライアルに挑戦した一方で、今回のmixi Xmas 2010では“お金を払ってレベルを上げる”といったことができない仕様になっていた。あくまでも友人へのプレゼントのためにしか、お金を使うことができなかったわけだ。mixiでは、友人・知人とのコミュニケーションを起点としない、ゲームを優位に進めるためだけのマインドで発生する課金はソーシャルではないと考えているという。

 単なる「広告・キャンペーン」という情報から、いかに「話のネタ」にしてもらえるか、マイミク間で盛り上がれる「イベント」にするか。それには、企業が『おもてなし』のマインドでユーザーと接することが不可欠だ。

 今後の展望について、新田氏は「昨年のソーシャルグラフ活用について試行錯誤していた時期から、その先の仕掛けをいくつも作れるような段階へと入ってきた。今後、バナー広告枠のソーシャル化や、新しいマーケティングツールを用意しつつ、今年はユーザー・広告主・mixiの三者間で、良い循環が生まれるような企画をできる限り多く、打ち出していきたいと考えている」と、締めくくった。

株式会社ミクシィ
メディアビジネス本部ビジネス推進2部 部長
新田剛史 氏
株式会社ミクシィ メディアビジネス本部ビジネス推進2部 部長 新田剛史 氏

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この記事の著者

野本 纏花(ノモト マドカ)

1983年生まれ。成蹊大学経済学部卒業。大学卒業後、大手IT企業にてレンタルサーバーサービスのマーケティングを担当。その後、モバイル系ベンチャーにてマーケティング・プロダクトマネージャーを務める傍ら、ライター業を開始。旅行関連企業のソーシャルメディアマーケターを経て、2011年1月Writing&Marketing Com...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2011/02/18 14:00 https://markezine.jp/article/detail/13387

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