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Adobe Omniture Summit 2011総力レポート

“もはやアナリティクスは中心ではない”
デジタルを中心とした、新しいマーケティングのルール作りに参加して感じたこと


2. 製品群をどれくらい活用しているのか?

 日本ではAdobe SiteCatalystが主力製品であり、一部の企業はさらにAdobe DataWarehouseやAdobe Test&Targetを追加する、というパターンが多いのではないだろうか。

 Adobe DiscoverやAdobe Insightの普及はまだこれからであり、他にも国内ではまだ提供されていない製品がある。どのような企業が導入していて、どのように使い分けられているのだろうか?

 そこで、セッションやランチで隣に座った人に毎回、どの製品を使っているかを聞いてみた。さらに二日目最後のクロージングセッションでは、使っている製品数を参加者全員に聞くシーンがあった。

 結果は平均で3、4製品、最も多い製品を使っているのはアウトドアのREIで9製品だった。

 Adobe SiteCatalystのみを単体で使っているケースは稀であり、Adobe DataWarehouseは1つの独立した製品としてカウントされず、選択肢に入ることすらない。つまりAdobe SiteCatalystとAdobe DataWarehouseの併用が当然の前提になっているのだろう。

 日本では、Adobe SiteCatalystは「高い」「お金に余裕がある大企業向け」「トラフィックが増えたら乗り換える」というイメージがあるが、世界では中規模の企業やスタートアップ企業でもAdobe Test&TargetやAdobe Discoverを普通に活用しているようだ。

 考えてみると、トラフィックが少ないサイトなら従量制の月額利用料金は以外と安価であり、実際のところ、規模が小さい方が柔軟かつ迅速な対応によって改善のサイクルを短くすることができるため、高い費用対効果を出すことができる。

 ただし、設計や実装を外部に丸投げしてしまうとコストが高くなるだけでなく、コミュニケーションのズレによって納品物が期待外れに終わるリスクも高くなる。

 社内で専門家を育てるか、社外のコンサルタントを社員として起用するのが成功のカギになるだろう。成功事例として取り上げられた企業の担当者の自己紹介を聞くと、このいずれかに当てはまるケースが多かった。

 そもそも、このような有料のカンファレンスに参加できるということは、学習やトレーニングのための費用が社内で承認される体制ができている、ということだ。

 プラットフォームの担当者に、ずばり提案してみた。

 「それぞれが独立している製品のように命名したのが問題。Adobe SiteCatalyst単体をAdobe SiteCatalyst Expressに改名し、DataWarehouseとDiscoverをバンドルしてAdobe SiteCatalyst Professionalなどと名付けるのはどう?」

 大きな賛同を得ることはできなかったが、「確かにその3つを組み合わせないと活用が難しい」という賛同は得られた。特にDiscoverがあれば、リアルタイムで多次元のセグメントやクロス集計、視覚化が可能なため、直感的に活用することができる。そして、製品群を組み合わせて活用するからこそ、深い分析とサイクルの反復が可能になる。

 クロージングでレンチャー氏は今年のサミットを、「アナリティクスはもはや中心ではなくなった」と振り返った。

 デジタルマーケティングは最適化や解析の上位概念であり、データドリブンなマーケティングの取り組みによってビジネスゴールを達成する必要がある。予算ありき、高すぎるから導入できない、という話では無いのだろう。

 このハードルを超えられた企業が成功事例を作り、デジタルマーケティングのルールを作っている。

次のページ
3. KPIをどう定義しているのか?

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この記事の著者

清水 誠(シミズ マコト)

Webアナリスト/改善リーダー。

1995~2004年まで凸版印刷・Scient・RazorfishにてWebコンサルティングやIA・UI設計に従事した後、事業会社側へ転身。UX/IAやデジタルマーケティングの導入による社内プロセス改善の推進と事例化を行っている。ウェブクルーでは開発・運用プロセスを改善し上場を支援、日本アムウェイでは印刷物のデジタルワークフローとCMS・PIMを導入、楽天では...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2011/06/22 11:01 https://markezine.jp/article/detail/13572

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