リアルタイムのセグメンテーションが可能に
今回のメジャーアップデートで、最も歓迎されているのがこの機能だ。Google Analyticsなど他のツールでは採用されている機能だが、Adobe SiteCatalystで実現するためにはカスタム変数を工夫したり、有料オプションのAdobe Discoverを導入する必要があった。
セグメントの考え方と設定方法は、現行のAdobe Data Warehouseと変わらない。定義済みのセグメントも選択できるが、カスタムで作成することもできる。どちらも、各レポート画面の上部に表示されるドロップダウンメニューに表示され、選択するとレポートに適用される。
作成したセグメントはレポートスイート単位で保存されるため、Adobe Test&TargetやAdobe Discoverからも利用可能だ。
デフォルトで使える指標が増える
データを格納するプラットフォームがAdobe Discoverに近い方式に変わる結果、以下の指標が全部のレポートで利用可能になる。
- 直帰率
- 訪問回数
- ユニーク訪問者数
今までは、これらの指標は変数ごとに有効化する必要があり、それが可能な変数の数も限られていた。なお、ユニーク訪問者数はAdobe Discoverと同様、指定した任意の期間内でのユニークになるよう重複が除外される。
全ての変数がクロス集計可能に
これまでは、カスタムコンバージョン変数(eVar)をクロス集計するためには、変数ごとに「フルサブリレーション」の設定が必要であり、それが可能な変数の数も多くはなかった。
これは恐らく、クロス集計のためのデータを別途格納するためにサーバー側でディスク容量を必要とし、さらにパフォーマンスも少し低下するため、制約をかけていたと思われる。v15では、より効率の良いプラットフォームになるため、全てのコンバージョン変数がデフォルトでクロス集計可能になる。
どの変数を有効化すべきかについて悩んだり、必要性に気づいて設定を変更したものの過去のデータはさかのぼってクロス集計できないことが分かる、ということがなくなる。
使い勝手の改善
時系列のグラフに複数の指標を入れられるようになる。今までは、一つしか表示させることができなかったため、エクセルにデータを落とし込んで独自にグラフを作成する必要があった。
この変更に伴い、「グラフの正規化」というオプションも実装される。複数の指標を同じ軸でグラフ化すると、数値の規模や変動幅によっては、推移が分からないフラットな線グラフになってしまうことがある。正規化を行うと、グラフの縦軸の最大値と最小値が指標ごとに調整されるため、推移のトレンドを比較しやすくなる。
この他にも、レポート別にデフォルト指標を設定できたり、画面左側のメニュー項目を部分一致のフィルタで絞り込む、などの細かい改善が行われている。