SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

おすすめのイベント

おすすめの講座

おすすめのウェビナー

マーケティングは“経営ごと” に。業界キーパーソンへの独自取材、注目テーマやトレンドを解説する特集など、オリジナルの最新マーケティング情報を毎月お届け。

『MarkeZine』(雑誌)

第106号(2024年10月号)
特集「令和時代のシニアマーケティング」

MarkeZineプレミアム for チーム/チーム プラス 加入の方は、誌面がウェブでも読めます

MarkeZine Day 2011 Springレポート(AD)

“あなただけ”の演出を自動化
最新レコメンデーション活用事例

シーンによって使い分ける2つのレコメンデーション技術と活用法

 ブレインパッド社が提供するレコメンデーションサービスには、『アソシエーション分析』と『カーネル法』の2つの分析技術が使われている。

 『アソシエーション分析』では、KXENという超大量データマイニングツールを用意しており、集積したデータを使って算出された購入確率を元にマーケティングを行うことができる。

 KXENを導入することで、サイト内での顧客行動が明らかになるため、その結果をレコメンデーションに使うだけでなく、商品開発やキャンペーンの立案にも活かせるのだ。集積したデータを他のシステムに連携させて、コールセンターでアップセルのための推奨リストとして活用することも。

 アソシエーション分析では、確率をはじき出すための母数となる商品群が同じでないと、レコメンデーション結果には反映されないという特性があるが、もうひとつの『カーネル法』は、ブレインパッド社独自のアルゴリズムで、複数の商品間の関連性を辿りながら、レコメンデーションすべき商品を探し当てることを得意としている。

 そのため、テール商品にまで誘導できる『カーネル法』では、“在庫を抱えないよう、売れ筋商品だけでなく死に筋までしっかりレコメンデーションしたい”といったニーズにも応えられる。

 「どちらかを選ぶというのではなく、2つのアルゴリズムをうまく使い分けて、相互に補完しあうことが大切」(市川氏)

レコメンデーション活用事例

 ここから、活用事例を紹介していこう。あるWebサイト(CD・DVD)は、すでにレコメンデーションルールを持っている企業だったが、データマイニングに1日20時間かかっていたところを時間短縮させるために、KXENと独自アルゴリズムを並列実装することを決定。

 ひとつの商品のクリック数や購買履歴のデータを利用した。アソシエーション分析とカーネル法の両方を使いながら、導き出されたレコメンデーション結果をミックスしてWebサイト内で表示させたところ、40%以上のクリック率アップに繋がった。

 また、Webサイトで取得したレコメンデーションデータをメールでも再利用。ブレインパッド社が保有する統合レコメンドエンジン『Rtoaster(アールトースター)』を使った。これまで全てのユーザーに対し、共通のキャンペーンやコンテンツを送っていたメールの中を、個別のユーザーに合わせてパーソナライズした。

 さらに、取得したレコメンデーションデータを、メールだけでなく、実店舗の情報端末でも再活用し、店頭に備え付けてある情報端末に、顧客に配布したメンバーズカードを読み込ませることで、情報端末内でもレコメンデーションも可能とした。ユーザーは情報端末内で気にいった商品があれば、その場で注文票をプリントアウトして、レジで取り寄せ・予約も可能となった。

 別の事例も紹介しよう。Webサイト(化粧品)では、TOPページのFlash画像内のキャッチコピーだけを、ユーザーの過去の購買履歴に合わせて、変更されるようにした。過去にクリーム系の商品を購入したことのあるユーザーには“ハリ効果”を訴求した文言を、年齢やサイト内で同じ系統の商品を閲覧していたユーザーには“シワ効果”を訴求した文言を、そして過去に同一商品を購入したことのあるユーザーには“パワーアップ”の訴求でリピート促進を狙うなど、ひとりひとりに刺さるコピーを追求することができる。

 Webサイトで取得したデータをメール配信エンジンと連携させた事例は、オフィス用品通販A社。一括メール送信時だけでなく、商品の購入確認メールや配送メールなどのトランザクションメール生成時にも、レコメンデーションコンテンツを追加して送信している。

 メール・情報端末(通販B社)の事例も興味深い。当初はレコメンドロジックのみの実装だったが、メール配信にレコメンドを掲載することで、コンバージョン率が劇的に向上したため、全メールに加え、実店舗の情報端末へも展開を実施。POSデータとも連携させることで、リアル店舗とWebサイトそれぞれのお客様を繋ぐことができるようにも。

 ひとつのレコメンデーションデータで、Web・メール・実店舗の3つのチャネルへ水平展開した。「レコメンデーションデータを統一することで、複数のシステムを導入する手間もなく、お客様への情報もぶれないところがポイント」(市川氏)

次のページ
ブレインパッド社の戦略立案コンサルティングと“マーケティングDB”の仕組み

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
関連リンク
MarkeZine Day 2011 Springレポート連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

野本 纏花(ノモト マドカ)

1983年生まれ。成蹊大学経済学部卒業。大学卒業後、大手IT企業にてレンタルサーバーサービスのマーケティングを担当。その後、モバイル系ベンチャーにてマーケティング・プロダクトマネージャーを務める傍ら、ライター業を開始。旅行関連企業のソーシャルメディアマーケターを経て、2011年1月Writing&Marketing Com...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2012/11/06 17:45 https://markezine.jp/article/detail/13610

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング