Q3.Facebookを利用することで、自分たちのサイトが築き上げたブランドのコントロールができず、結果Facebookに依存することになりませんか?
ここから、講演参加者からの質疑応答が始まった。参加者からは次のような質問が飛んだ。
質問者
「FacebookページやFacebookでコンテンツが共有されることは自分たちのサイトが築き上げたブランドをFacebookへ渡してしまうことになりませんか? Facebookを利用しようと社内に提案をすると、社内から『自分たちのブランドがどのように見られるのかなどのコントロールができず、Facebookに依存してしまう』といった消極的な意見も出ます。みなさんはソーシャルメディアをマーケティングに活用するに際しそのような障害はなかったのでしょうか? また、あったとしたらどのように克服したのでしょうか?」
ハーバード大学のペリー・ヒュイット氏
「決してコンテンツの所有を諦めるわけではないですが、まずコンテンツを見てもらわないことにはブランドやメッセージが伝わりません。自分たちのサイトにいくらコンテンツをたくさんアップしても人が見てくれなければマーケティングとしては何の目標も達成されていないのと同じです。Facebookの他にYouTubeやiTunesでポッドキャストでコンテンツを公開しているが、いずれもコンテンツのオーナーシップは常に自分たちが持っているので、自社サイトでもソーシャルメディアでも変わらないと考えています」

Major League Gamingのポール・サリバン氏
「魚釣りをするなら魚がいるところでしょう。人が集まるところでブランドを露出することのほうが(懸念されているリスクより)メリットが大きです。もしそこに自分たちのブランドがなければ、ソーシャルメディアからのトラフィックやエンゲージメントは無くなってしまう。そのことを考えると社内で合意に達するのは困難ではなかった」
Facebookのアンディ・ミッチェル氏
「Facebookとしては、Facebookページにおけるコンテンツのマネタイズに制限を設けていません。また、ブランドにとってもそこで行われているユーザーの会話やエンゲージメントがトランスペアレントであることが多くの支持をいただいていることに繋がっていると思います」
エンドユーザー(消費者)から見ると、Owned Media(オウンドメディア)であろうがEarned Media(アーンドメディア)であろうがその分類はなくなりつつあるようだ。インターネットを通した消費者とのブランドの関係構築という意味では“どこでサイトとコンタクトするのか”という点は関係なくなっているのかもしれない。