収益最大化機能とアドサーバ機能を備える「AdStir」
AdStirには大きく2つの機能がある。先に触れたアプリ開発者/Webメディア運営者の収益を最大化するイールドオプティマイゼーション機能(※)と、純広告や自社広告を配信するためのアドサーバの機能だ。
イールドオプティマイゼーションの機能は、アドネットワークの乱立によるアプリ開発者/Webメディア運営者の悩みを解消する一助になるだろう。
「最も収益性の高いアドネットワークを探す」ために、複数のアドネットワークの広告を同時並行で配信できる機能が含まれている。アドネットワークごとに配信可否/配信比率を設定して比較・検討することで、収益が最大化されるアドネットワークの組み合わせを手軽に探ることができるようになる。
また「広告の在庫切れ」という問題に対しては、広告在庫を検知する機能が役に立つ。在庫切れになったら、並行配信中の他のアドネットワーク広告が自動的に配信される。仮に並行配信中のアドネットワークがすべて在庫切れになっても問題ない。普段は広告配信をしていないアドネットワーク広告を、事前に決めた優先順位に従って配信させることができるのだ。
もう一方のアドサーバ機能は、iPhone/android用の純広告・自社広告を手軽に配信できるようにするもの。掲載期間保証型、インプレッション保証型、クリック保証型といった課金形態での設定に対応。ユーザーの端末種類(iPhoneかandroidか)や所在地(日本国内か国外か)ごとに配信設定を変更できるようになっている。
しかも利用料金は無料。客先での反応は前向きな声ばかり
機能面の優位性以上に、AdStirの特徴になっているのは、利用料金が無料だということ。
同社メディアプラットフォーム事業部の植雄平事業部長は「アプリ開発者様やWebメディア運営者様に収益を増やしていただきたい」という思いから無料提供することを決めたと話している。
「収益の最大化を図るためのツールに対して、お客様からのニーズを感じていました。AdStirはそのニーズに応えるために開発したものです。
まずは在庫切れによる配信ロスを無くさなくてはいけません。配信ロスの多かったアプリ開発者様やWebメディア運営者様などでは非常に大きな改善効果が見込めます。
配信ロスをゼロにできていたとしても、AdStirを導入していれば、純広告が入った場合にすぐ切り替えられます。近日アドサーバ機能として、アクセスしてきたスマートフォン端末のキャリアを判別する『キャリア識別配信』を実装予定です。これにより『キャリアターゲティング配信』や『キャリア端末ターゲティング配信』等が可能になりクリック単価が高めのターゲティング案件の配信にも対応できるようになります。より高単価の広告を載せることで収益増が期待できるでしょう。
営業活動をしていて、アプリ開発者/Webメディア運営者の方々からは、われわれの想定していたとおりの反応が得られています。マイナスで評価されたことはありません。基本的には『導入しよう』というお話をいただいています」(植氏)
※イールドオプティマイゼーション機能……複数のアドネットワークの収益を最大化させるよう広告を配信する仕組み