マイクロソフトが提供するDynamics CRMは、営業支援、顧客管理、マーケティング機能などを備えたCRMソリューション。説明会ではグローバルおよび日本でのビジネスの状況について最新事情が紹介された。冒頭では、米Microsoft CRM Sales Enablement Leadのチャド・ハンブリン氏から、グローバルでの状況についてが語られた。
「Dynamics CRMは、今現在、200万人のユーザーが利用し顧客数は3万社となる。この8年間で目覚ましい成長を遂げ、アナリストの間でも業界の中で最も早い成長率だと言われている。また、最近の傾向としては、新しい顧客が大企業であるケースが増えている。中小企業にも当然対応できるが、大企業のような複雑な環境にも十分対応できることを証明している」とした。
事例としては、Barclays Bankや不動産総合サービスのJones Lang LaSalleを紹介。Barclays Bankにおいては、コールセンター業務の改善に利用され、カスタマーからの苦情を25%削減しサポート案件についても22%程度の削減を成功させたという。また、Jones Lang LaSalleの場合は、導入後2年ほどの間に金額にして4000万ドルのコスト削減に成功している。
続いて、ハンブリン氏は競合にあたる米Salesforce.comとの違いついて、次のように語った。
「米Salesforce.comは100万ユーザーの到達に9年間かかったが、Dynamics CRMは6年間で達成している。また、対応言語数はマイクロソフトは41カ国語だが、米salesforce.comは18カ国語。ローカルサポートについてもマイクロソフトは82か国に対応し、米salesforce.comは20カ国程度。開発者の数やR&D投資にかける金額もマイクロソフトの方が多い」とした。
次に、日本マイクロソフト株式会社 Dynamicsビジネス本部 宇根靖人氏から、日本におけるビジネスの状況が語られた。
「日本では2006年に3.0というバージョンの提供を開始しその後4.0というバージョンを経て、2011年の1月にオンライン版、そして2月にオンプレミス版の提供を開始している。導入企業数は2011年11月までで、約400社となる」
Salesforce.comからDynamics CRM Onlineへの移行実績も増加しているという。総合物流サービスのエーアイティー、電子部品製造販売の岡谷エレクトロニクスなどは、コストパフォーマンスの高さとマイクロソフトが持つ他のクラウドサービスを含めた利便性を評価し、Dynamics CRM Onlineへ移行したようだ。
今後については、パートナーと協力して導入支援サービスを充実させていくとともに、オンライン版での機能拡張を1年に2回行い、オンプレミス版にも反映していく方針だという。11月のアップデートでは、Office 365とのさらなる統合、大規模クラウド対応、既存機能強化、ソーシャル対応の4点について、機能拡張を予定しているとした。