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アクセス解析+α

サイト内でのユーザー行動を丸裸に!
Google アナリティクスの新機能「ユーザーフロー」と「ゴールフロー」


ユーザーフローとゴールフローの3つの活用方法

 非常に機能が豊富なため、どう活用して良いのか最初は迷ってしまいます。そこで筆者なりに考えた3つの活用方法を紹介いたします

重要なランディングページの分析

 TOPページ以外にも、サイトにとって重要な入口ページがあるかと思います。その入口ページにどこから訪れているのか、そしてその後の遷移先を見るために「ユーザーフロー」を活用しましょう。

 重要なページをクリックして「ここをハイライト」を選択しましょう。その際、手前の設定は「参照元/メディア」あるいは「キーワード」などの流入元が分かる指標を選択しましょう。

 実際に設定した結果が、以下の通りになります。

 /index2.htmlというページをハイライトしました。そして前後の分子の数値を見てみましょう。流入元はサイト全体では、Yahoo/Google/(direct=直接流入)となっていますが、ハイライトしたページへの流入は(direct)が一番多くなっています。つまり、このページは検索経由ではなく、直接流入で入ってきていることが分かります。「index2.html」という文字列を直接入力することは考えづらいため大半がブックマークと言えそうです。

 更に/index2.htmlからの遷移先も見てみましょう。ぱっと見ると287件のページへの遷移が多そうですが、すぐに結論を出してはいけません。線の太さとしては(+1016ページ)が一番多いです。というわけで、このグループの詳細を見てみましょう。

 見てみると、数多くのページが287件以上の流入があります。このように全体の中から絞り込んで表示しているため、サンキーダイアグラム内のページの表示や順位は入れ替わりません。必ずグループの部分も確認しておきましょう(更に次のページへの遷移で最も多いものも、グループの中にありました)。

 流入元も、その次のページへの遷移も、想像していたユーザーの動きなのかを確認することが大切です。全く違うページへの遷移はありませんでしょうか? もしそのようなページがありましたら実際に該当ページを確認して、どこから遷移しているかを確認してみましょう。改善のヒントが見つかるかもしれません。

セグメント機能を活用した分析

 強力なセグメント機能を使わない手はありません。まずは定番の新規/リピートの違いを確認してみましょう。

 新規の人とリピーターの人での動きに目立った違いはありませんか? もし違いがある場合は、その導線上にそれぞれに向いたコンテンツを用意することで、更にサイトでの滞在時間や遷移率が上がるかもしれません。接触時間が増えればそれだけ、コンバージョンの可能性が高まります。

 また、もし自分が自分のサイトに初めて訪れたとしたら、どのような順番でページを見るかを想定し、その通りに動いているかもチェックしましょう。新規来訪者に見て欲しい内容が、レイアウト等の問題でアクセスされていない可能性があります。

 もう一つオススメのセグメントは「コンバージョンが達成された訪問」です。つまりサイトの成果に辿り着いた人が辿った導線を確認できます。サイトで複数のコンバージョンを設定している場合は、カスタムセグメント機能を利用して、成果ごとのセグメントを利用した方がより分かりやすいかと思います。実際に画面を見てみましょう。

 2つ前の画像と同じサイトと条件でセグメントだけ変えています。流入元の1位がGoogleに変わっています。またURLを表示できないのですが、モザイクがかかった部分にはいくつか特徴的なコンテンツが見つかりました。

 このコンテンツを見ることが、どうやら成果への貢献につながっているようです。更に流入を増やしたり、内容を他で活用したりといった改善方法が考えられそうです。

 他にも様々なカスタムセグメントと組み合わせた分析が思いつきます。スマートフォンからの流入とPCからの流入による導線の違い、ブランドワードを含む流入元経由の導線、滞在時間が一定以上の導線などなど。

 サイト内の動きに対する仮説があれば、すぐに検証できるのが「ユーザーフロー」と「ゴールフロー」の良さです。

ゴールへの遷移分析をセグメントして改善施策を見つける

 「ゴールフロー」は名前の通り、成果に辿り着いた人の導線をみることができます。参照元と掛け合わせるで、参照元ごとの成果達成件数だけではなく、参照元ごとの遷移率なども確認できます。地域ごとの特性なども出てくるかもしれません。特定の地域の遷移率を上げるために、地域限定の特典や情報などを用意するというのも一つの手でしょう。

 画面の下の表の部分を見ると、都道府県別の遷移率が分かります。母数が少ないので、参考程度ですが例えば1位の東京(31.0%)と2位の愛知(24.0%)で7%の差があることが分かります。

 何故、このような違いが生まれるのかを仮説立てて、フォームを確認してみましょう。「都道府県がデフォルトで東京都になっている」「東京と愛知の人で得られる内容に違いがある」といったページ構造や情報の違い、そして「フォームに来る前の直前のページに違いはないか(ユーザーフローを使って確認)」「流入元に違いはないか(アドバンスセグメントで設定して確認)」などユーザーの動きの違いなどを確認してみましょう。

導線分析で最も大切なのか「仮説」

 「ユーザーフロー」と「ゴールフロー」はGoogle アナリティクスの新機能の中でもビジュアル的にインパクトがあり、非常に利用していて楽しいレポートです。しかし機能が豊富なため、最初は利用方法に戸惑ってしまいます。

 導線分析で最も大切なのは「仮説」です。「新規の人はこういう動きをして欲しい」「この特集ページは、Aというページに誘導するために作成した」といった仮説があることです。その仮説を検証するために利用していきましょう。

 更に分析からの気づきを得るためには、「カスタム変数」や「イベント」の実装があるとなお良いでしょう。会員と非会員の比較、ファイルをダウンロードした人の動き、特定の外部リンクをクリックした、動画を再生した、など様々な条件でセグメントして導線分析が行えるようになります。

 「複数のページをロックした導線を見たい」「二つの条件を横並べで比較したい」といった改善ポイントはあると思いますが、他のアクセス解析ツールとは違った見せ方、一つの画面で多くの分析ができる多機能っぷりは、ぜひ皆さんにも使っていただきたい機能です。

 集客だけのコンバージョン最大化や最適化に行き詰ったら、ぜひサイト内の改善も進めてみてはいかがでしょうか。

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この記事の著者

小川 卓(オガワ タク)

ウェブアナリストとして、マイクロソフト、ウェブマネー、リクルート、サイバーエージェント、アマゾンジャパンで勤務。2015年にフリーランスとなり、UNCOVER TRUTHのCAO(Chief Analytics Officer)に就任。フリーランスでは、コンサルティング、勉強会、執筆などで活躍している。主な著書は『...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2012/10/26 15:09 https://markezine.jp/article/detail/14995

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