ソフトバンク:USTREAM活用で地域格差をなくす
USTREAM活用を前提とした、採用Facebookページの設計をしています。第1回の放送時、視聴者は1,500名を超え、話題になりました。地方や海外の学生にも届け、ITによって地域格差をなくすという新しい試みだったと思います。今後の就職活動を示す、象徴的なFacebookページだといえるでしょう。

日立:クエスチョン機能で就活生が本当に欲しい情報を提供
Facebookに、もともと設置されているクエスチョン機能を利用して、ソーシャルインタビューを行っています。質問内容はファン自らが考え、ファンが投票していく形式になっており、投票が多い上位5つの質問に対して、採用担当者が答える形式になっています。従来のFAQとは異なり、就活生が本当に知りたいことに対し、包み隠さず答えているのではないでしょうか。筆者が執筆している現在、520票が投票されています。
伊藤忠食品:Facebookページ限定の説明会を開催
食品関連の企業ではめずらしく、Facebookページを運用しているのが伊藤忠食品です。Facebookイベントページのみで、限定70名の説明会が開催されるとのこと。従来の手法で集めた学生とどのような違いが出てくるかなど、今後の活用に期待が高まります。

企業と就活生がお互いに選びあう、ソーシャルリクルーティングの時代へ
以上7社の事例には共通点があります。それは、自社のメディアで完結しているということです。Facebookを中心に、各企業がソーシャルメディアでアカウントを持つことにより、自社メディアでの採用活動が行えるようになりました。たった1年前まで、企業の採用活動はナビサイトの運営会社に依存しており、毎年数百万円の掲載料を払う以外、効果的な方法がほかにないという状態だったことを考えれば、かなり大きな変化が起きたのではないでしょうか。
今後、2014年度,15年度とソーシャルリクルーティングを実施していけば、企業には“自社メディアのみで採用できる力”が備わります。採用活動の成否を決めるのが、広告費ではなく、メディアの運用力とコンテンツ力になる時代が来るのではないでしょうか。
“たくさん集めてたくさん落とす”形式の採用活動から脱却したいと考える採用担当者も少なくないでしょう。就活生も同様に、“たくさん受けてどこかに入れる”形式の就活は終わりにしたいはずです。“興味・関心”や”人”でつながるソーシャルメディアだからこそ、企業と就活生がお互いに興味ある共通点でマッチングが起こるのではないでしょうか。これこそが、日本におけるソーシャルメディア採用、さらに発展したソーシャルリクルーティングが担う役割だと考えています。
本連載は今回で最終回となります。ご愛読ありがとうございました。