マスメディアに取って変わるのではなく、新たなコミュニケーション形態が生まれる
メディアとして、インターネットがテレビを代替する存在ではないということは先ほど述べました。
確かに、テレビ広告のビジネスモデルはこれまでのように儲からなくなり、高い利益を上げていたモデルが崩れることは少なからず起こる兆候にあります。ただ依然として、圧倒的な破壊力のあるメディアであるテレビは、広告コミュニケーションにおいてその需要がすぐに消えるとは考えにくいです。
何が残って何が消えるのか? といった議論よりも、インターネットが持つインタラクティブによって、新しいユーザーコミュニケーション形態が生まれていることに注視すべきです。先ほどいくつか例を挙げましたが、その他にも日々変化が起こっています。そこを嗅ぎ取り、広告コミュニケーションへ昇華していくことが重要です。
エージェンシーはインタラクティブが生み出す新しいコミュニケーションに対応
そういった意味で、メディアを中心としたコミュニケーションのプランニングとプロデュースだけでなく、新たな広告コミュニケーションを作り出すことが広告代理店に求められています。
しかし、いままでインターネット広告市場を牽引してきた大手ネット専業広告代理店は、受託型広告代理事業からより収益性の高いソーシャルアプリ開発をはじめとする自社サービス事業へ、シフトしているように見受けられます。
総合広告代理店はデジタル領域の重要性を理解しつつも、デジタル専門ではない分、マス広告への対応とのバランスを見つつ、緩やかにデジタルへの対応強化に動いているのではないでしょうか。そのような中で、広告主のニーズはエアポケット化していいます。

そのエアポケットを埋めるのが、インタラクティブエージェンシーです。インタラクティブエージェンシーとは、問題解決力、企画クリエイティブ力、テクノロジーノウハウ、総合プロデュース力、などインタラクティブにまつわる全てを兼ね備えたエージェンシーを指します。
ユーザーのコミュニケーション形態に耳を澄ませ、いち早くその変化を嗅ぎ取り、響くコミュニケーションを設計する。我々スパイスボックスも、インタラクティブエージェンシーとして、その課題に真摯に向き合っています。
今後、インタラクティブエージェンシーはデジタル環境の変化に合わせて更に変化する可能性がありますが、現時点においてもエージェンシーの進化形として、新たな広告コミュニケーションを牽引していく存在でありたいと考えています。
最後になりましたが、これまでお付き合い頂きましてありがとうございました。当連載が少しでも皆様のお役に立てたならば幸いです。