広告コミュニケーションとサービスをダイレクトにつなぐ
もうすっかりジョガーの定番サービスとなったNike+は、元を辿れば広告コミュニケーションの一環として企画されたものであることをご存知でしょうか? インタラクティブによって、より便利で素敵なユーザー体験を生み出すことで、そのサービス自体を話題化させ、広告コミュニケーションとして機能させた事例です。
製品のイメージを訴求することで価値を認めさせるのではなく、新たな体験価値を作ることで、商品やサービスのブランディングとなる。ここに、商品やサービスと広告コミュニケーションの境界は存在しません。

「売上累計5億円突破」のニュースも記憶に新しいドミノピザの「Domino’s App」は、インタラクティブによって、デリバリーという業態を、“いつどこにいても”配達可能なサービスに変えました(参考記事:iPhoneアプリからの注文、5億円突破――ドミノ・ピザ,ITmedia)。このアプリが、App Storeや、Androidマーケット上で常に上位にランキングしていることを見れば、広告を出稿してダウンロードを稼ぐようなことをしなくても、ユーザーへ新たな価値を提供することができれば、広告コミュニケーションとしても十分に機能することに気づかされます。

クロスデバイスによって、ユーザーのソーシャルメディア体験と街場をつなぐ
様々なメディアの特性に合わせて、適切な表現でユーザーに訴求していく「クロスメディア」でのコミュニケーション設計は当たり前になりましたが、昨今、さらに新たなコミュニケーション設計が求められつつあります。インタラクティブの進化よって、デジタルテレビ、PC、スマートフォン、タブレットと、異なるデバイスで同一コンテンツを共有する、「クロスデバイス」でのコミュニケーションを考える必要性が出てきました。
FacebookをPCでもスマートフォンでも利用していることを考えると、コンテンツをクロスデバイスで利用するシーンが、すでに生活の中に溶け込んでいると言えます。
仕事中に、会社のPCでFacebookを閲覧し、さらに、帰宅時、通勤時にもFacebookをチェックする。今では当たり前になったこの光景も、スマートフォンの普及によってもたらされた利用シーンです。フィーチャーフォンでFacebookを見ているユーザーがほとんどいなかったことを考えれば、インタラクティブの進化がデバイスを変革し、コミュニケーションを変えているといっても過言でなはく、それに合わせて広告コミュニケーションのあり方も変わっていく必要があります。
このように、スマートデバイスがより発達することで、同一のコンテンツをまったく異なる環境で閲覧することが可能となります。近い将来、PC、スマートフォン、タブレットにデジタルテレビが加わり、同一コンテンツをクロスデバイスで利用することが、当たり前になると予測されます。すでに、デジタルテレビで録画した動画コンテンツをクラウドサーバに格納して、PC、スマートフォン、タブレットで共有できるような製品も発売されています。
さらに、いわゆる4スクリーンと言われるデバイス群に、デジタルサイネージが加わればどうでしょう。弊社スパイスボックスが手がけたプロジェクト「Million Play Hanabi」のように、1ユーザーのソーシャルメディア体験が、デジタルサイネージとシームレスにつながって、ユーザーのデバイスとクロスしていくようなことができ、新たな広告コミュニケーションを設計できる可能性があると思います。

Webから投稿されたTwitterアイコンが、花火になって六本木ヒルズ壁面に打ちあがる、
Webとリアルをつないだインタラクティブ花火大会。