リアルタイム分析の活用方法
Google アナリティクスの「リアルタイム」機能だけではなく、どのアクセス解析ツールでもリアルタイムのデータを見るのは楽しいです。しかし、このようなデータは活用できるのでしょうか?
筆者が考えた4つの活用方法を紹介いたします。これらの内容のうちどれか一つでも「関係ありそう!」と思えた場合は、ぜひGoogle アナリティクスのリアルタイムのレポートを有効活用してみてください。
しかし、どれも「ピンとこない」あるいは「そんな分析しないよ」というような感想を抱いた場合は、リアルタイムでのレポートは必要ないということなので、安心して今は使わなくても大丈夫です。では、4つの活用方法を見てみましょう。
1)実装の検証 及び 本番リリースの確認
Google アナリティクスの記述が正しく実装され、計測ができているかを確認するためにリアルタイム分析を使うことができます。誰もアクセスしないようにページあるいは、開発環境で計測を入れたページにアクセスした後に、実際に画面でアクセスが現れるかを確認しましょう。
今までのGoogle アナリティクスの場合アクセスしてから数時間は待つ必要がありましたが、すぐに確認ができるためテストのスピードが大幅に上がります。これは今までできなかった活用方法です。
そして本番でリリースをしてページを差し替えた場合にも、ちゃんとリリース前後で同じ程度のアクセスが正しく来ているかの確認にも利用しましょう。
もちろん、計測が正しく取れているかを確認するため、FirefoxやChromeのプラグイン(例:Firebug)などを利用したり、パケットキャプチャーツール(例:Fiddler,Charles)などを活用するなどの方法もあります。しかし、最終確認はやはり画面で行いたいものです。
基本的には、どのページにアクセスしたのかしか取得ができないため、カスタム変数やEコマースの変数などは数時間待つ必要がありますが、簡単な計測チェックには充分役立ちます。
2)時間限定のキャンペーンの状態確認と修正
グルーポンのようなフラッシュマーケティング、オンライン上でのタイムセールの告知、先着プレゼントのキャンペーンなど、開始してから多くのアクセスがすぐに押し寄せることが予想できる場合にも、「リアルタイム」機能は便利です。
実際に何件くらいのアクセスが来ているか、あるいはアクセスの状況を見ながら、必要に応じてページを微修正することも可能です。新しいコンテンツやリンクを追加した時に、どれくらいチェックされているかを確認できます(飛び先にGoogle アナリティクスが実装されている場合)。
ただ、リアルタイムでの判断を行うのであれば、判断を行えるだけのデータ量が必要になります。10件あるいは50件で「悪い」あるいは「良い」という判断を行うことは非常に危険です。
3)アラート機能としての利用
こちらはGoogle アナリティクスの「リアルタイム」機能には実装されていませんが、ある特定の条件を元にリアルタイムでアラート(メールあるいはインスタントメッセンジャーへの送信)を送ることができると、障害や急なトラフィックの早い検知につながります。
例えば、ある程度の規模があるサイトであれば、「3分以上アクセスがない場合はアラートを送る」といった設定をすることで、サイトに何か問題がないかを確認することができます。
アクセス解析ツールを開いて自分の目でウォッチしていなくても、アラートを「送る」ことで、感知が可能となります。
サイトが落ちることによるインパクトが大きいサイの場合は、念のために設定しておくことで、救われるかもしれません。
4)モチベーションアップのために利用する
分析ではありませんが、個人的には大切な「活用方法」だと思っています。新しいリリースを告知する瞬間に皆で「リアルタイム」機能を見る、あるいは大きな画面で部長がいつでも確認できるようにしておく。こういった使い方はサイトの改善には直接つながりませんが、サイトに人が訪れることを実感させてくれます。「リアルタイム」というのは集計された結果ではなく、今起きている事実であるということです。これは、想像以上に人を興奮させます。
