アクセス解析で高まる「予測分析」へのニーズ
このセッションは、アドビ システムズ社の予測マーケティングソリューションのプロダクト マネージャーであるジョン・ベイツ氏とシマンテック社で最適化とウェブ分析のディレクターを務めるジェイムズ・ニーハウス氏によって行われました。
皆さん『マネーボール』という映画をご存じでしょうか? 野球を題材にしたアメリカの映画で、弱小チームのGMが予測モデルや分析を使いながら、対戦相手に勝利を重ねていくというストーリーです。
アクセス解析でも同じように、予測による分析のニーズが非常に高まっています。施策の精度を上げるという観点もありますし、近い将来に大きな売上の減少が待っている場合はそれが起きないように事前対策を行うという活用方法があります。
予測値と実績値の比較で、98.9%という高い精度を実現
今回のセッションで取り上げられた事例をひとつ紹介します。あるテクノロジー企業の事例です。この企業では、年末商戦が始まる「ブラックフライデー」と「サイバーマンデー」での売上が、前年比で20%ダウンすることが予測分析から判明しました。
分析結果が明らかになったのは、米国でもっとも売上が見込めるこれらの日を迎える数週間前。そこでこの企業は広告施策などを中心に事前にテコ入れを行うことにしました。結果、20%の売上ダウンは完全に回避できなかったのですが、ダウン幅を60%削減し、2.5億円分の売上を確保することができました。
後からさかのぼって予測値と実績値を比較すると、98.9%という高い精度であったことが判明しました。予測分析を行うことによって、トラブルを未然に発見し、売上が大きくダウンすることを防ぎました。予測ができていなかったとしたら、恐ろしい結果になっていたでしょう。