UIデザインはチームワークが要 破綻しない制作フロー
それでは早速UI作成の流れについてご説明したいと思います。
私のUI作成におけるフローは以下の通りです。
- デザインのベースづくり(TOPページとMYページとタイトルロゴ)
- ルールの作成(デザイナー以外にも共有)
- TOPページとMYページのHTML化
- 他ページの展開
まず、「UIデザインはチームワーク」であるということを念頭に置いてください。UIは個人で黙々と進められる作業ではありません。
最初のベースデザインは1人でも作成できますが、その後はプランナーの遷移図を元に、コーダーと相談しながらモックを組み、必要に応じてFlashエンジニア、システムエンジニアともやり取りが生じます。そのため、自分だけが理解できるやり方で進めてしまうと、デザインの破綻につながるので要注意です。
つまり、ここでもまた「ルールづくり」が必要です。UIに携わる全てのメンバーで事前にルールを共有できていれば、例え共同作業する相手が男性であっても、女性向けのデザインが壊れることはないでしょう。
特に女性向けゲームの場合は、たくさん飾って「にぎやかでカワイイ」を表現することが多いので、素材の数が増えると思います。そのため、デザイナーが一枚の絵としてイメージして作ったUIでも、HTML上でバラバラの素材として扱うコーダーから見ると、かなり複雑になります。そうした時に一貫したルールがないと、他のページは組めません。
カワイさを追求し続けたときに見直したい「当初の目的」
ここで、UIの目的について再度考え直したいと思います。
女性向けゲームのUIは、男性向けゲームに比べて色味が多く、絵文字や飾り画像など細かい画像をたくさん用いて、にぎやかなカワイさを演出することが多いと思います。女性をターゲットにする場合、こうした「カワイさ」の演出は極めて重要なのですが……当初の開発目的とは何でしょうか。――それはもちろん「売上」です。
「売上」を達成するためには、課金をするまでやり込みたくなる、つまりストレスなく続けられるUIを目指すことが先決になってきます。
ということは、「カワイさ」は「見やすさ」や「操作性」を犠牲にしてまで追求すべき要素でないことは明らかです。どちらも実現するに越したことはないのですが、開発を進める上で、多少なりとも矛盾が生じるはずです。そのようなときに、「カワイさ」を追求するあまり、使いづらいUIを作ってしまうような結果にはならないよう注意してください。