アルゴリズムによるセグメンテーション
3つ目は「『ルールによるセグメンテーション』ではなく『アルゴルリズムによるセグメンテーション』に進化する」という内容です。

アルゴリズムによるセグメントを実現することによって、常に変化しながら最適化されていくセグメンテーションとそれを利用した売上の拡充を実現することができます。「しかし、それは簡単なことではありません」とジョーダン氏。
実現するためには「細かい単位でのデータ取得」「説明ができるモデルの活用」「作成されるセグメントのサイズと精度のチューニングが可能(基本的には相反するものなので)」「モデルのフィードバックとチューニング」といった実践や成果につながる状態を整える必要があると説明しました。
アドビ社では今年の6月、これらの課題を解決する機能をAdobe AudienceManagerに追加する予定となっています(米国のみ)。これによって、セグメンテーションの自動作成や最適化、配信の効果予測、複数モデルの効果測定や評価などが可能になります。

最後にジョーダン氏は、セグメンテーションは広告配信のためだけに行うものではないことを強調していました。「この講演で紹介した内容は、主に広告配信の観点からでしたが、セグメントを活用し、サイト内のコンテンツやパーツを変更することによって、利用者に必要な情報を正しく届けることも可能であり、(広告配信と)同じくらい大切です」と述べて、講演は終了しました。
質疑応答
講演が終わった後に質疑応答の時間が設けられました。その中で印象的だったものをピックアップして紹介しましょう。
Adobe AudienceManagerと他の配信・テストツールとの違い
「1st/2nd/3rdパーティーのデータをひとつのツールに取り込んで分析ができること。そして、もうひとつがアドビ社の製品群との連携です。たとえば、分析して作成したセグメントをアドビ社のテストツール(Adobe Test & Target)に取り込み、広告を出し分ける条件に利用することが可能です。これによってテストの精度が上がります。」
プライバシーの問題について
「プライバシーに関しては非常に重視しています。パーソナライゼーションに近づけば近づくほどより精度が高い、個人情報に近いデータが必要になってくる。しかし、Cookieや暗号化などを利用することによって、個人を特定せずとも1対1に近い最適化施策を行なうことができます。
ユーザー側から見ると、パーソナライゼーションには、より自分に合った良い体験がもたらされるというメリットがあります。しかし、取得している情報の明確化と取得される情報の選択や削除をユーザー自身が行えるということが、より大切になっていくでしょう。」
検索キーワードとセグメンテーション
「検索キーワードの情報は、セグメンテーションに非常に大切です。この情報も有効活用していきたいのですが、Googleの方針によって検索キーワードが一部取得できなくなっていることには懸念を感じています。」