SSPを両輪にすることで、スマホ広告市場自体の拡大を図る
ngi groupは、広告主に向けたDSPのBypassと、メディアに使ってもらうシステムであるSSPのAdStirを両輪にして成長させていこうと考えている。
しかし、片や広告配信効果を最適化することを目的にし、片やメディアの収益最大化を目指している。「DSPとSSPをどちらも持つことで利益が相反するのではないか?」という指摘を関係者から受けることもあると岡部氏は語るが、次のような見解をもっている。
「ngiではDSPとSSPをそれぞれ別事業部にしています。1:1の関係で取引をしているのではなく、お互いが複数のパートナーを開拓してN:Nで取引を拡大していく戦略を採っています。
確かに1:1の関係なら利益が相反することもあるかもしれませんが、N:Nならスマホ広告市場自体を拡大する推進力になるはず。優良なメディアの収益性は高くなり、効果が見込みづらいメディアには割安な料金で広告が出せるよう、エコシステムが自然と整っていくのではないでしょうか」
広告枠在庫の拡大、第三者配信への対応などを準備中
Bypassの今後の展開については、まずはRTB接続先のパートナーを増やし、広告枠在庫を拡大することに注力する。
続いて、広告代理店による広告クリエイティブの第三者配信に対応するために各社のアドサーバーとの連携を強化し、運用時の使い勝手が良くなるように管理画面のユーザビリティも見直していく計画。プラットフォームに望まれることを、各事業者と連携し、一つずつ進めていく姿勢でいる。
「機能拡張も予定しています。例えば、ターゲティング機能。さらに多彩なユーザー属性でターゲティングできるように、ユーザーの行動履歴を詳しく追えるようにしていくつもりです。ngiとして、BypassとAdStirは事業の柱にしていきます。スマホ向けのDSPとSSPのベンダーとして、トップに立ちたいですね。
現状、競合企業は多くなく、市場自体が立ち上がったばかりです。ほかの企業とも協力して一緒に市場を盛り上げていくことが先決ですが、その中でもトップに立てるよう努めていきます」