ソーシャルメディアの本当の価値はデータにある ~ 新機能「Social Data Cloud」

初日のジェネラルセッションの最後のパートでResponsys社のCMOスコット・オルリッチ氏は、自社の社員も初めて見るResponsys Interact Suiteの新機能を発表した。
「Social Data Cloud」と呼ばれる新機能はResponsys Interact SuiteのデータベースにFacebook上のソーシャルグラフデータを取り込み、顧客データとリンクしてターゲティングやパーソナライズに活用できるというものだ。(下図)

Facebookのデータをマーケティングに活用する「Social Data Cloud」
「Social Data Cloud」を機能させるためには、まず顧客からFacebook上のソーシャルグラフデータへのアクセスに関するパーミッションを得なければならない。そのためには専用のFacebookアプリを用意し、ユーザーにそのアプリを登録してもらうことになる。ユーザーのアプリ登録を促すため、アプリユーザー限定のセールや特典など明確なメリットの提示が必要になるだろう。

そしてメールの登録者情報とFacebookアカウントをリンクさせ、Facebook上のデータをResponsys Interact Suiteに取り込む。これでデータ利用の準備が整ったことになる。するとResponsys Interact Suiteのセグメンテーション設定画面でFacebookのデータをセグメントの条件として使えるようになるのだ。

これまでもResponsys Interact Suiteでは、アクセス解析ソフトやSFAツールなどから取り込んださまざまなデータをセグメンテーションやパーソナライズに活用することができたが、そこにFacebookのソーシャルグラフデータが加わったことになる。操作画面上も左端にある利用可能なデータの種類が増えるだけで全く違和感がない。

Facebookに登録された性別や生年月日、居住地などの基本情報はもちろん、趣味や興味対象のカテゴリーのデータに基づいてメールやディスプレイ広告をターゲティング配信したり、コンテンツをパーソナライズすることができるようになるわけだ。
「Social Data Cloud」は、Facebookマーケティングの新しい地平を切り拓く可能性がある先進的な新機能である。おそらく今最も更新頻度が高くユーザーの興味・関心対象が色濃く反映されているデータを、コミュニケーションの最適化に活用することができる。最後にオルリッチ氏は「ソーシャルメディアの本当の価値はそのデータにあるのです」と語り、講演を締めくくった。