PDCAを回せるようにする地域別・時間帯別のレポート機能が特に好評
前述のように、ngi groupで事前に思い描いていたよりも順調に顧客を開拓できているBypass。電子書籍、金融系、求人、不動産、アプリなどの事業を手掛ける広告主が既に利用を開始。特に電子書籍やアプリなどのデジタルコンテツ系の広告、意外なところでは金融系の広告などで良い実績を残せているという。
「スマホ向けDSPは既にいくつか出てきていますが、本格的な機能がそろっているのはBypassくらいという声も頂きます。PC向け広告でDSPを使っている広告主からは『待ってました。ようやくスマホ向けのDSPが出ましたね』と仰っていただけています。中でも評判が良いのは、ターゲティング機能とレポート機能でしょうか。メディアカテゴリー、地域、時間帯、端末といった多彩なターゲティングを組み合わせた配信ができる事と、レポート機能では地域別や時間帯別にクリック数/CV数をより詳細に把握できるようになります。このようなターゲティング機能とレポート機能からパフォーマンスが良かった要因を見つけられれば、次のアクションにつなげるPDCAを回すことができます。そこが特に好評なようです」
「RTB機能を備えたDSP」より、広い意味でのプラットフォーム化を目指す
逆に広告主から求められているのは、より広い意味でのDSPとして、Bypassをプラットフォーム化すること。
「アドネットワークからRTBに広告予算が今後シフトしていくのは分かるが、アドネットワークはしばらく外せない。Bypassでアドネットワークも管理できないか」といった要望も出てきているそうで、さらに幅広い機能を使えるように、広告関連ツールなどを提供している事業者との提携を進めていきたい考えだ。
「Bypassとして開発を予定しているのは、RTBの広告単価が時系列でどう推移していて今いくらなのかを株取引のチャートのようにリアルタイムで閲覧できるチャート機能、そして米国を中心に盛り上がりをみせているリッチアドに対応することです。RTBによってリスティング広告同様、バナー広告も運用が非常に大切になってきています。時間帯によっては広告単価が安くなったり、インプレッション数が増えたりと動きがありますので、運用戦略を構築する上でのツールとしてチャート機能を考えています。
リッチアドはスマホが広まることで、さらに伸びると見ています。ガラケーではできなかったクリエイティブ表現がスマホではできますし、実際にアメリカではリッチアドの市場が急速に伸びていると聞いています。日本でもテレビ視聴者の約7割が、テレビを見ながらガラケー・スマホを操作する“ながら視聴”をしていると伝える調査結果も出てきています。テレビで流れている映像と同じCMや、その続きをスマホで見れるようにすれば、興味を持ってクリックしてくれる人も増えるのではないでしょうか」
RTB機能を売りにするスマホ特化のDSPから、スマホに関するマーケティング関連の課題を解決するDSPへ。より上位のレイヤーで広告主にとって欠かせないツールになることを目指すBypassの動向を、今後も見逃せない状況が続きそうだ。
ngi group株式会社は2012年6月22日開催予定の株主総会で、定款の一部変更が承認されることを条件として、商号を「モーションビート株式会社」に変更いたします。