モバイルでページ遷移を追うためには?
さて、ではどのように、モバイルにおいてページ遷移(以降、クリックストリームと表現します)を追跡できるようにするかですが、どうしても、ユーザを特定する情報が欲しくなります。なぜなら、あるユーザの時系列のアクセス履歴=クリックストリームとなるからです。
モバイルであるユーザを特定する方法はいくつか考えられるのですが、
- HTMLの「utn」属性を利用する。
- お客様がサイトで使用している「ログインID」を利用する。
- キャリアの送信するユーザ識別子を利用する。
の、どれを採用するかが問題です。
1 HTMLの「utn」属性を利用
この方法は、キャリアに依存することなく携帯電話のシリアル番号を取得できるものなのですが、
- これを記述できるタグは限定されており、しかも「すべてのページ、すべてのリンクに"utn"属性を記述しなければならない」ので、あまりに非現実的。
- さらに、utn属性を記述すると、「シリアル番号を送信しようとしています。OKorNG」 を訪ねるポップアップ画面が表示されます。「ポップアップによる確認」はモバイルサイトの作り方としてはご法度。
という問題点があります。
utn属性を見つけたときは、「これだ!」と思いましたが、テストHTML作って、会社の人にアクセスしてもらったら「個人情報を取得しようとしてるんですか?」と苦情がきたり…、よってこの方法はボツ となりました。
2 お客様がサイトで使用している「ログインID」を利用
この方法は、考え方としては「あり」かもしれませんが、
- 最初にログイン画面のある会員サイトにしか売れなくなります。一般的ではありません。
- また、モバイルサイトでログインIDを毎度入力されられるサイトにはお目にかかったことはありません。
いまだからこう言えるのですが、当時は結構まじめに検討してました。PCのサイトの場合、URLはブラウザに表示されるし、「ソース表示」でHTMLも簡単に見れますが、モバイルはそんなことすらままならない状況だったりもするので、どうやって「ログイン」させてるのかすら「???」でした。
3 キャリアの送信するユーザ識別子を利用
この方法は、キャリアの方針で取得できたりできなかったりします。一番メジャーなキャリアの非公式サイトでは、どうしてもユーザ識別子は取得できませんし、公式サイトでも、あるマジックワードを記述しないとユーザ識別子は送信されません。いわゆる"uid=NULL…"ってやつです。ただ他の2キャリアについては、公式・非公式問わず、ユーザ識別子はほぼ100%取得できる点はメリットです。
上記の3つのなかで、一番お客様の負担がかからないものは3の方式です。そのため、3の方法を採用しました(結局どのアクセス解析ツールでも、この方法を選択しているようです)。