異業種企業とのコラボレーションで新たな顧客へアプローチ
マジョリカは新たなメディアとの異業種コラボレーションの取り組みにも積極的だ。
「今日、トリプルメディアをマーケティングに駆使することは当然のようになっているが、加えて最小限のコスト投下でネット上で口コミを発生させ、最大限の効果を得ることが重要です。マジョリカというブランド単独ではリーチできない層へ、異業種企業とコラボレーションすることでアプローチが可能になります」

2011年にパークホテル東京とOzmallとコラボレーションで実現した「マジョリカマジョルカコラボレーションルーム」。これはWebムービーの中で作り上げてきたマジョリカの世界観を体験できる、スイートルーム宿泊プラン。1室48,000円という高価格であったにもかかわらず、この企画は大成功であった。ひと月分毎に予約を受け付け、完売情報をSNSで発信して、顧客に飢餓感を創出。SNSをフル活用して、話題を創出。口コミが起きやすい環境をつくった。その結果、10月分は18分、11月分は5分、12月分は3分、1月分は2分という驚くべき速さで完売したのであった。
「コラボレーション企業の商品やキャンペーンをメディアと位置付けています。そうすることで、ネット上での話題性を創出し、資生堂にとってもコラボ先の企業にとってもwin-winの関係を築くことができます。広告代理店には頼らず、直接相手先の企業とやり取りして、コストをかけずに施策を行っています」
Pinterestで国境を越えたコミュニケーションが可能に
資生堂は4月にeコマース事業をスタート。それと同時期に画像共有SNSサイトPinterest公式ページ「MAJOLICA MAJORCA」を立ち上げた。
米国において、Facebook、twitterに次ぐ第3のSNSと言われているPinterestにいち早く取り組んだ理由は、ビジュアルがポイントのマジョリカブランドと、画像メインのPinterestの親和性が高いこと。またPinterestユーザーの8割は若い女性であり、マジョリカのターゲット層にマッチする。
また画像がメインのSNSだからこそ、言語の障壁がなく、国境を越えたコミュニケーションが可能になる。ネットでの商品購入確率が高いPinterestとeコマース事業を連携させ、新たなコミュニケーションを始めている。

「マジョリカが伝えるメッセージは2003年のスタート時から今までずっと変わっていません。ターゲットのライフスタイルの変化に合わせて、コミュニケーション手段を変えてきただけ。ソーシャルメディアはあくまでツールであって、何を顧客に伝えたいのか、商品に携わるストーリーが一番大切です。ソーシャルメディアが普及したことで、コストをかけずに、ブランドを磨き、知恵と工夫次第で客に魅力を伝えていくことが可能な時代になった」と清水氏は話を締めくくった。