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ブログから導く消費者の生の声!クチコミデータ有効活用への道

ビリーズブートキャンプはブログ上でどう語られたのか?ヒット商品から読み解くクチコミデータ超活用術

ビリーズブートキャンプはどう語られたのか

 そして、28の言葉に対して、簡単に分類したのが下記となる。全体を通してもっとも興味深かったのが、ブログを書いている人の多くが実際にやっている人の書込みだったという事だ。

前ページの表を元に作成した上位28語の相関図:各枝の言葉はを主観的に分類し、階層化したものである。もっとも多く語られているカテゴリー「エクササイズ」の出現頻度は、括弧内に示した58207語。カテゴリー「エクササイズ」を100%とし、他のボリュームを相対的に百分率で示した。各階層のボリュームは、下層全てとその言葉自体を足した合計値となっている。「ビリー」という言葉はカテゴリー作成のため、便宜的につくったもの。「手」は手に入れる、手に入れたという言葉がその多くだった。

 例えば「テレビ」はテレビを見ながら、ビリーズブートキャンプをしているという書込み、「エクササイズ」の下層にある言葉は全て実際に運動をしている人の言葉。「ビリーさん」「ビリー隊長」「入隊」もそうである。「仕事」という言葉は今日も仕事が終わったらビリーだとか、仕事をして汗かいてもう一汗かこうと、ビリーを頑張りましたとか、最近、仕事にプライベートにビリー・ブランクスに忙しくなってなど、生活の中で仕事やプライベートの中でビリーズブートキャンプを行うことを語っているブログだった。

 半年の話題を全体的に俯瞰しているため多くが、ビリーズブートキャンプをしている人の話題となっているが、時間軸を過去にさかのぼれば、している書込みよりしていない人の書込みの話題が多いというのは予想は出来る。

 ちなみに「体重」という言葉を更に深堀すると、「減った」という動詞と「減らなかった」という動詞がほぼ均等に見られた(データは示していない)。中には体重が増えたというものもあった。その一方「体脂肪」という言葉で、ビリーズブートキャンプを調べてみるとほとんどが「減った」という書込みだった。この視点は、消費者のビリーズブートキャンプに対する満足度の一つの指標として使えるかもしれない。

 仮説を立てようと思えばキリがないのでこの辺にしておくが、このようにこれらの知見からさまざまな仮説を立てる事が出来る。あとは、クライアントが何を求めて調査依頼をしてきているかによって出来るレポートが変わるだろう。ビリーズブートキャンプのようなヒット商品を創りたいのか、ビリーズブートキャンプを使っている人の満足度を知りたいのか、今後更にビリーズブートキャンプを流行らせたいのかによって出すべきレポートが変わってくる。そしてそのどれに対しても仮説と検証が出来るはずである。

ドライに全体像を俯瞰することが大切

 全体像を見るのは楽しい。その商品に愛着がわく。例えばあるダイエット商品を単身赴任のお父さんが毎晩ひとりで使用し疲れきって寝ている様や、昔モデルだった母親に教わって娘がある洗顔機器を使い始めるという日記。そこには生活があり、行間にみえる深みもある。さまざまな視点が生まれ深堀をしたくなる。しかし全体像を見るときはドライに行う必要がある。ひとつにとらわれては、時間を食うだけだ。浮かんでくる視点はメモに残す程度にし、ただただ地図を作る事に専念する。ただ、クライアントに提案をする時は、いくつかの仮説と、その心温まる生の声を添えると喜ぶだろう。

 また、話題量が少ないものはどうすれば良いのかという質問を受ける。例えばその期間で述べられたブログが50や100の場合、全て読んでしまって構わない。それを読みながら正確にカテゴリー分けをし、上記のようなボリュームのついたマインドマップを作れば、全体像を把握した図といえるだろう。全てのブログを読むというのは強力だし、そこから得られる情報には意味があると思う。

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この記事の著者

磯部 拓(イソベタク)

1971年生まれ、博士号を取得後アテンション入社。現在は株式会社アテンション戦略企画部に所属し、マーケティングリサーチ、分析、レポーティングサービスを行う。また「恋愛専門ドットコムα版」の作家兼ディレクションを行い「...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2007/09/05 11:00 https://markezine.jp/article/detail/1624

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