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MarkeZine Day 2012

情報の受け手が主導権を持つ時代、自社のミッションを見据えた企業メディア戦略概論

受け手が喜ぶ情報を把握し、送り手との利害を調整する

 ひるがえって、企業によるオウンドメディアの運営を考えてみると、自社が生活者に知ってもらいたい「発信したいこと」を出発点にしてしまうことが多いようだ。それでは、前述した、受け手が喜ぶ情報やその提供の仕方とのすり合わせができているとは言えない。

 そうした状況に対し田端氏は、「会社の悩みは読者の悩みではないことを、まず前提に考えることが大事」だと指摘する。雑誌メディアは常に読者の潜在的なニーズを捉え、それが発揮されるようなムーブメントを作り出していく。同じように、自社が近づきたいターゲットが一体何を求めているのか、その関心と自社の意図との折り合いをどうしたらつけられるか、という思考回路で自社とターゲットとの利害を調整していくことが必要なのだ。

 「『Yogini』が果たした役割をスポーツクラブが仕掛ける、あるいは『BRUTUS』のシェアハウス特集がシェアハウスへの関心を高めたように不動産会社が新しいトレンドを仕掛けるなど、ツールが充実しているからこそ企業がムーブメントを起こすことだって今はできるはず

 さらに、自社メディアを考えるときに重要なもうひとつの項目は、送り手と受け手との間で通じる共通認識をつくることだという。「雑誌『LEON』は“チョイ不良(ワル)オヤジ”というキーワードを色濃く放ったことで、それに憧れる読者を顕在化させ、広告主や広告会社などにもピンとくる文脈を生み出した。企業メディアの場合も、規模は小さくともひとつの世界を築こうとする視点が必要だ」と強調する。

なぜそのビジネスをしているのか、出発点は使命の見極め

 企業が生活者に接触しようとするとき、今はマスメディアや店頭メディア、自社サイトにソーシャルメディアとさまざまなチャネルが利用できる。だが見方を変えれば、それだけ接点が分散しているため、「求心力となる『旗・志・魂』がなければ一貫性のある結びつきを築くことはできない」と田端氏。

 そして、企業メディアの金字塔として、資生堂の「花椿」を挙げる。非常に歴史の長い会員向けの紙媒体であり、かつ最近ではその世界観を楽しめるスマートフォンアプリもリリースされている。日本女性に内面と外面の両面で美しくあってほしい、という時代を超えた使命感が長く受け手を捉えているのだ。  

 結びとして田端氏は、「コンテンツを核としたマーケティングを実現するには、前述したいくつかのポイントの前段として、どういう世界を実現するためにそのビジネスを展開しているのか、まずは自社の使命を見極めることが出発点になる」と語る。自社メディアによる関係づくりの極意が語られた、貴重な講演となった。

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この記事の著者

高島 知子(タカシマ トモコ)

 フリー編集者・ライター。主にビジネス系で活動(仕事をWEBにまとめています、詳細はこちらから)。関心領域は企業のコミュニケーション活動、個人の働き方など。

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