ソーシャルメディアがもたらす効果を、成功事例をもとに解説します
こんにちは、Facebookの日本におけるマーケティングを担当している須田です。Facebook上のマーケティング活動を支援する「Facebook Studio」を紹介するこの連載、3回目となる今回からは、Facebook Studioでアーカイブされている事例の中から、優れたものを紹介していきたいと思います。
今回は、今年のカンヌでグランプリを取ったほか、Facebook Studioが表彰するFacebook Studio Awardでもグランプリに輝いた、アメリカン・エキスプレスのキャンペーン「Small Business Saturday」です。すでにご存知の方も多いと思いますが、なぜFacebookはじめソーシャルメディアの活用がこれほど効果を上げたのかを振り返り、Facebookを活用する際のポイントにつなげたいと思います。
"Small Business Saturday" 地元商店でショッピングして地域活性化
まずは、 このキャンペーンを振り返りましょう。概要はこちらから見ることができます。
このキャンペーンは、アメリカの11月第4木曜日サンクスギビングデー翌日の、年末商戦の開始日で年間を通じてもっとも買い物がなされる日とされる「ブラックフライデー」と、翌週月曜日のオンラインショッピングの日とされる「サイバーマンデー」に挟まれる週末の土曜日を、「地元の商店で買い物をする土曜日」(Small Business Saturday)として、全国チェーンではなく各地のローカルショップでの購買を促すものです。
この試みは、アメリカン・エキスプレスにとっての加盟店のサポートという従来からあるマーケティング目的を持ちつつも、同時に大規模な全国チェーンが優勢となる中で苦境にあえぐ、「地元商店」の活性化という社会的課題に向き合うキャンペーンであることから、多くの人々が実際に参加し、大きな効果を上げました。社会的課題が盛り込まれ、かつ効果が大きかったという点から広告業界内でもたいへん話題になりました。
このキャンペーンのコアアイデアは、対消費者にはもちろんのこと、中小企業や個人事業主向けに、彼らが活用できるソーシャルメディアツールがふんだんに用意されたことです。これにより、お店のオーナーはプロモーション用にソーシャルメディアを活用できるようになりました。そしてそのコミュニケーションの中心的役割をFacebookが果たしています。
最終的な結果としては、実際に地域のスモールビジネスの売上向上に大きく貢献しました。さらにアメリカの複数の地方自治体から、11月のサンクスギビングデーの後の最初の土曜日を「Small Business Saturday」として、公式な記念日に制定されるという影響も生んでいます。