幅広いリーチを得るためのソーシャルメディア戦略
キャンペーンの中心となったソーシャルメディア戦略をもう少し詳しく分析してみましょう。本キャンペーンでは地域の商店に、地域の消費者を呼び込むことがゴールとなるので、地元の消費者、自営業のオーナー双方から、より多くの人々にキャンペーンに参加してもらう必要があります。そのために、主要なソーシャルメディアを組み合わせた戦略が立てられています。

お店への誘導から店頭、さらにSNSへ
キャンペーンサイトにはオンラインで地元商店を探せるツールが用意され、さらにfoursquareやFacebook上ではお店の所在地を登録したり、クーポンが用意できます。店頭用に、クーポンにアクセスするためのQRコードステッカーなどもキャンペーン側で用意しました。ウェブ検索から店頭、さらに店頭の購買をSNS上へというO2Oサイクルが促される仕組みです。
消費者へのインセンティブと拡散
認知フェーズでは、キャンペーンのコンセプトである「地域商店のサポート」というメッセージに反応し、地元の人が意欲的にお店を探します。お目当てのお店が見つかり来店すると、クーポンというインセンティブが用意されているので、チェックインが促されます。
このチェックインが、クーポンの入手と同時にFacebook含めソーシャルメディア上で「地元のお店での買い物した」ということの共有と情報の拡散につながります。
買い物をした人にとっては、「お得な買い物で地域商店のサポートもできた」という「ちょっといいことした」感を、地元の友達などにシェアしたいという心理も働き、つながっている友達にとっても、実名でつながるFacebook上では、「高校の同級生のジャックが、エミリーの経営している文房具屋で万年筆を買ったんだ」といったことがリアルに伝わります。
商店へのサポートツール

このような認知~店舗誘導~購買~拡散の一連の流れの各ポイントで、商店オーナー向けにソーシャルメディアを活用するためのツールが手厚く用意されています。小規模店舗のオーナーの皆さんの中には、インターネットやソーシャルメディアを使いこなした経験のない方も多いことから、これらのアイテムを作成するためのツールが大事というわけです。
前段で紹介したQRコードのステッカー含め、以下のものがプロモーションツールとして用意されました。
【認知~店舗誘導】
- お店のプロモーションビデオをYouTubeで簡単に作るためのツール
- 地域のお店を探すための地図ツール
【店頭での購買~拡散】
- 店頭POP類などリアルで活用する様々な販促物(QRコード入りステッカー含む)
- foursquareクーポン
- Facebookページ作成ツール
- 地元の利用者へのターゲティングが設定されたFacebook広告用クーポン
キャンペーンの中でFacebookの果たした役割
Facebookはこのキャンペーンの中で、地元商店が地元の人々との接点を持ち、交流を図る重要な役割を担っています。
Facebookページ作成ツールの提供
これにより、ソーシャルメディアを使いこなせていなかった商店オーナーの方々が、自社ページを立ち上げられるようになりました。チェックインをしてもらうにも、まずその基点となるスポットが必要となりますが、このスポットもFacebookページと同時に作成できます。
Facebookページへ地元の人々を呼び込むための広告クーポン
ページを立ち上げると、無料のFacebook広告クーポンも提供されます。これは、Facebookページに地元の人々を集客するために役立ててもらおうというものです。Facebookの広告は、居住地を市町村レベルで設定しターゲティングができますから、お店のある地域の人々に、自分のお店についての広告を表示できるというわけです。近所のお店についてのことだと、自分とのつながりを感じられ、より興味を持ってもらいやすいはずです。広告をきっかけに、Facebookページにいいね!してもらい、長期的な関係を築いていくことができます。