ヤフーが動いたことによって、業界の空気が変わった
日本最大のポータルサイト「Yahoo! JAPAN」が、来年1月末に広告ソリューションを刷新する。リニューアルを見据えて、ヤフーは今年アドテクノロジー企業との提携を着々と、かつ"爆速"で進めてきた。8月にパフォーマンス型ディスプレイ広告プロバイダーの仏Criteo、10月末にタグ管理ソリューションの米BrightTag、そして第三者配信アドサーバーベンダーの米DG MediaMind(以下MediaMind)。
今回、ディスプレイ広告およびビデオ広告分野での業務提携に合意して注目を集めているMediaMind 日本法人カントリーマネージャーの布施一樹氏にインタビューを行った。
MZ:ヤフーの採用の発表があってからの反応はいかがでしたか?
布施:おかげさまで大きな反響がありました。我々も驚いているのですが、MediaMindという会社がどういうサービスを提供しているのかを理解していたけれど、自分には関係がないと思っていた人たちが、一気に関連性を感じて「もう一度話を聞かせてほしい」と言ってきているという状況です。広告代理店などのパートナー企業に対しては、すでに100人クラスの勉強会もやっています。
MZ:これまで他人事だった第三者配信に、真剣に向き合う人が増えたと。
布施:コンバージョンファネルを考えたときに、ブランドと消費者のコミュニケーションはあくまでも1 to 1です。しかし、広告のサプライヤーは、消費者との各コンタクトポイントを商品化して販売することにフォーカスするため、運用が分断されてしまいます。第三者配信はこの分断されたものを統合して一元的に見ていくことができるので、消費者を一意にとらえることができます。
MZ:消費者の情報を一元化できるという点が、第三者配信のポイントなのですね。
布施:そこが一番のキモになります。今までは、ワンサイドのシナリオをつくってそれを媒体に載せるだけ。消費者はAという媒体にアクセスしても、Bという媒体にアクセスしても同じものを見せられる。消費者からすると、自分の消費行動のファネルを意識したコミュニケーションをとってこないのでノイズとしか映らない。広告をノイズではなくメッセージとして届けるための考え方が大切になります。
多くの企業で自社サイトの分析のためにサイト解析ツールを使っていると思いますが、外部施策の効果を知るために、MediaMindの第三者配信、キャンペーン管理プラットフォームがあります。外の施策、内の施策をしっかりマネージしていくこと、これをデジタルマーケティングの両輪ととらえるとわかりやすいでしょう。
特にリッチメディアの広告配信、コミュニケーションのタッチポイントの部分を自社サイト外でもとらえられる、というところがブランディングコミュニケーションをする上での弊社の得意技でもあります。それがYahoo! JAPANという日本の一番大きなポータルサイトで実施できれば、広告主、代理店にとって、インパクトは大きいのではないかと思います。